国枝慎吾選手に学ぶ
「気持ちの切り替え方」「困難の乗り越え方」とは
~オンライントークショーを開催しました!~

2020 / 06 / 26
ダイバーシティ&インクルージョン

ANAでも在宅勤務が増え、対面でのコミュニケーション機会が減る中、ANAが2016年からスポンサーとして契約し、活躍を応援している国枝慎吾選手をゲストに迎え、社員とのオンライントークショーを行いました。国枝選手のご提案で実現したこの企画。開催の背景や、トップアスリートから学ぶ「困難の乗り越え方」など、国枝選手の想いをご紹介します。


皆さんを笑顔にし、元気づけたい

「緊急事態宣言の中、皆さま在宅ワークをされていると思います。そんな中でもお役に立てることはないでしょうか。例えばビデオ会議システムを使って、在宅の社員さんとオンライン交流会を開催するとか…」。国枝選手からご提案を頂いたのは4月中旬のことでした。 オンラインで交流会を開催するのは今回が初めてとのこと。ご自身も選手としてのモチベーション、コンディションなど多くのご苦労がある中、なぜこのようなご提案を頂いたのでしょうか。 「世の中が大変なことになってしまい、試合は出来ないですが、こうしてオンラインで繋がることができればと考えました。皆さんに笑顔になって元気を感じていただければ」

ご提案を受け募集をしたところ、あっという間に満員御礼。ビデオ会議システムを使い、社員約100名が集まる中、国枝選手が社員からの質問に答えました。

職場や自宅の他、海外からの参加や、
ご家族と一緒の社員も!

進化し続ける強さの秘訣

世界10位くらいだった頃、これからは「世界No.1になりたい」じゃなくて「世界No.1になるんだ」と断言するトレーニングを始めました。アファメーション(=断言)トレーニングといって、朝起きたら鏡の前で「オレは最強だ!」と言うんです。ラケットにもシールを貼り、コートでもコートの外でも常に「オレは最強なんだ」と思い込みました。すると、その3か月後には4大大会で優勝。自分を信じることですべてのプレーに好循環が生まれ、メンタルがテニスに大きく影響することを実感しています。

また、試合を離れたときにいかに自分を疑えるかということが、同じくらい大事だと思っています。世界一になった後から誰の背中も見えなくなり、スランプに陥った時期がありました。その時に気づいたのは、これからは「対誰か」で練習するのではなく、自分の中の足りないものを補っていくこと。現状に満足せず「変えるところはないか探る作業」が一番の練習であり、常に進化することを心がけています。

アスリートとしての身体づくり~自粛期間中に心がけている事~

最近のブームは、
わらびもちと大福
(写真はイメージです)

追い込みすぎると免疫が下がる可能性もあるので、いつもの2/3くらいの練習で切り上げて、元気な状態で一日を終えることを心がけています。食事は体の中から鍛えることが出来るので、一回ジムのトレーニングをさぼることよりも、食事をさぼることの方が罪悪感を感じます。 毎日料理をしてくれている妻には本当に感謝ですね。こういう期間だからこそ、ありがたみもすごく分かるし、妻に体をしっかり作ってもらっているなと思います。

とは言うものの、甘いものも大好きなので、おやつは3時と時間を決めて食べるようにしています。

「目の前に妻がいますが、初めて言われましたと言っています」
社員から多くの拍手が!

コロナの影響を受けて

今年3月アメリカでの大会に参戦中、2回戦のウォーミングアップ中に「中止だ!」という知らせが入りました。これまでのツアー生活の中でも、未だかつてない経験でした。「これから先、もっと大変になってくるのだろう」という不安はありましたが、まずは日本に帰らなきゃ!という一心で、すぐにフライトの変更を行い、帰国をしました。
そして、東京2020パラリンピック競技大会は1年延期になりました。こういった大規模な大会は今年は無理だろうと覚悟はしていました。しかし今年はオーストラリアで行われた4大大会で優勝して、調子も東京2020大会のタイミングにドンピシャにはまっていたので、喪失感は相当ありましたし、「やってやるぞ」という気持ちが一度折れました。でも、スポーツをやるような機運が高まってこないと、やはり仕方ないことなのかなと捉えています。

まずは受け入れて、どう生きていくか~コロナ後の世界に期待する変化~

当たり前に出来ていたことが急に出来なくなるというのは、自分が車いす生活になってしまったときに似ていると感じます。あの時も最初は、「なんで自分だけ」という嘆きもあり、周りは普段通りに暮らしている中、その現実を受け入れられなかった。

障がいのある方にとっては「どう障がいを受容するのか」が重要だそうです。最初は苦しい時期があり、途中から「車いすでどう生きていこうか」という風になるわけですね。階段が登れないなど、不自由なことはあるけど、それでも十分生きていけるんです。なので、3月頃は、「なんだよコロナ」と思っていましたが、今は例えコロナが終息しなくても、「この世界でどういう風に生きていこうか、適応していこうか」というマインドに変わってきたように思います。

2021年に延期となった東京2020パラリンピック競技大会では、さらに強くなった姿をみなさんに見て頂きたいですし、応援して頂ければ最高だと思うので、なんとか来年開催して欲しいですね。


参加した社員からは「とても楽しく、元気の出る時間を過ごさせていただきました」「現状をしっかり受け入れて、順応していく。まさに今我々社員一人ひとりに求められていることだと感じました」「社会やお客様に対して『今できること』、自分に何が出来るのかを改めて考える機会を頂きました」と様々な感想が寄せられました。

どんな変化も受け入れ、常に進化を続けていく国枝選手。あと1年で更なる進化を遂げ、ますます活躍される姿を社員一同楽しみにしています!
そして私達も、困難な状況だからこそ「今できること」を考え、改めて「すべてのひとに優しい空」を届けたい。その気持ちを胸に進んでまいります。

ANAはこれからも、国枝選手のご活躍を応援していきます。

HELLO BLUE, HELLO FUTURE
~2020を、みんなの滑走路にしよう~
HELLO BLUE, HELLO FUTURE
東京2020オフィシャルエアラインパートナー

※ANAは東京2020パラリンピック競技大会のオフィシャルエアラインパートナーです。