
九州佐賀国際空港のYS-11、
ANAエアサービス佐賀の清掃活動!
~時代を超えても色褪せない、
その姿を守る空港関係者の想いとは~
2024年9月10日、残暑の厳しい九州佐賀国際空港(佐賀空港)では、1998年の空港開港時にエアーニッポン(当時)から寄贈されたYS-11の特別清掃に集まったANAエアサービス佐賀の社員と空港ビル関係者、空港消防隊のにぎやかな声が響き渡っていました。
佐賀県では本年10月に「国民スポーツ大会・全国障がい者スポーツ大会」が開かれ、多くのアスリートや関係者が佐賀空港を訪れます。
今回の清掃活動は、県外から訪れるお客様に少しでもYS-11を楽しんで欲しいという社員の想いから企画されました。
戦後初の純国産旅客機として一世を風靡したこのYS-11は、機番JA8733、製造100番目のメモリアル機でマニア必見の機体とも言われています。1998年の寄贈から空港内貨物施設に駐機し展示されてきましたが、2009年12月に空港公園内へ移設され、2010年3月から一般公開されています。
1998年4月21日、対馬ー福岡のフライトを最後に退役。寄贈する際のフェリーフライトがラスト飛行となり、開港したての佐賀空港に降り立ちました。当時のフェリーフライトに同乗し、寄贈に携わった社員やANAラインメンテナンステクニクスの整備士の一部が現在も佐賀空港所に在籍していて、日々の安全運航を支えています。

当日は総勢38名の社員が参加。コックピットや機内展示品、窓、ギャレーなどの機内設備を磨き上げ、最後はシートベルトをベルトクロス。出発前の機内を再現しました。参加社員はYS-11の機内で目を輝かせて懐かしんだり、思い思いに清掃に取り組みました。
仕上げに、空港用化学消防車で放水される高圧洗浄やモップで、丁寧に機体を磨き上げられ輝きを取り戻したYS-11。
佐賀空港を訪れるお客様の笑顔と期待に胸を膨らませ、清掃活動は終了しました。


(機内見学は要事前予約)


ANAエアサービス佐賀 空港事業部 オペレーション課で、1998年のYS-11寄贈時から在籍している古場 直樹さん、清掃活動を企画した高田 真輝さんにお話を伺いました。

(開港当初から在籍)
1998年8月、開港して間もない佐賀空港にJA8733は飛んできました。地上で出迎えた私達の前で、フライトを担当されたパイロットのお二人が、機体に感謝と労いの言葉を掛けながら降りてこられた様子を今でも覚えています。
今回の清掃活動で久しぶりに入った機内は色褪せているものの、当時ご搭乗いただいたお客様の嬉しさや楽しさ、時には悲しみといったたくさんの想いも乗せていたことを容易に想像させてくれました。苔が付いた機体も光を跳ね返すほど綺麗になり、諸先輩方の安全運航への意思が今でも強く刻まれていると改めて感じることができました。
佐賀空港に展示されているYS-11は、機首をターミナルビルに向けています。これからも、お客様と佐賀空港で働く職員、後輩航空機達の安全を温かく見守り続けてくれることでしょう。私達は、今後も安全で快適なオペレーションを積み重ね、お客様の満足を追及していきます。

YS-11清掃に携わってくださった皆さんにお礼を申し上げます。今回の企画は入社当初から実現したいと思っていたことの一つでした。幼い頃から飛行機が好きで、入社前からYS-11のもとへ足を運んだり、機体について調べたこともありました。
入社後SDGs担当になり、地域に貢献できることがないか考え、幾度となく足を運んだYS-11の清掃活動を企画しました。
初めは「機体を綺麗にしたい!」という想いでしたが、調整も多く、自分の力だけでは実現は難しいものでした。企画・提案から実施まで約5ヶ月間。先輩に相談したり、空港内関係各所に相談をしたり、多くの方と話を重ね、消防車での放水や清掃道具を貸していただけるなど、蓋を開けてみれば佐賀空港全体での取り組みになり、イメージしていた内容を超える活動になりました。佐賀空港ならではのアットホームな温かさが、企画達成につながったと感じています。
今回、国スポ・全障スポで訪れる関係者の皆さんに対するおもてなしの気持ちを表したかったのはもちろんですが、私がそうだったように、飛行機が好きで、YS-11に足を運び、将来の夢を考えたり、楽しい思い出になったり、色んなことに想いを膨らませられる場所になって欲しいと思っています。
引き続き、ANAらしさと佐賀らしさを感じられるような、活動に取り組んでいきます。
ANAグループは、過去の歴史をつむぎ、これからも地域の皆さまとともに、様々な地域創生活動に取り組んでいきます。