国内初 石垣島へサステナブルな観光
航空移動で発生するCO2をSAFにより100%削減

2023 / 04 / 06
サステナビリティ

皆さん、こんにちは。ANA石垣八重山支店の柏木です。

 石垣島は沖縄本島から南西に400キロ離れ、12もの島々からなる八重山諸島の中心の島です。美しい海でのマリンスポーツや満天の星空を求めに国内外から年間約150万人の観光客が訪れる、国内屈指のリゾートアイランド。
 ただ、多くの人々が八重山諸島のすばらしさを体験していただくことは大変喜ばしいのですが、同時に世界中の観光地で叫ばれている「オーバーツーリズム」の課題を抱えている現実もあります。
 今回、石垣市が考える10年後のあるべき姿、「持続可能でより良い社会を求めて世界中の人々がつながるまち」を具現化する上で、市にとって重要な「観光産業」を、訪れる方々と一緒に考えていく「サステナブルな観光」の実現に向けたモニターツアーに参加してきました。

3月16日 石垣八重山空港に到着した「ANA Green Jet」

 2023年3月16日、小雨の舞う石垣八重山空港にANAの「グリーン」の航空機が颯爽と降りてきました。ANAの航空機の通常塗装は「ブルー」をベースにしていますが、この「ANA Green Jet」はANAが美しい地球を守り、持続可能な社会を実現するという想いを込め、サステナブルなイメージを想起させる「グリーン」を基調にしたデザインの航空機です。2022年10月5日に「羽田ーサンフランシスコ」線のNH108便で国際線機として初めて就航し、続いて11月14日に「羽田ー福岡」線のNH253便で国内線機として初めて就航。現在国内・国際、それぞれ1機ずつの2機が運航をしております。
 今回、往路「羽田ー石垣」のNH91便には、このANAグループが掲げる環境目標の達成を推進していくための特別塗装機 「ANA Green Jet」 を使用しました。「ANA Green Jet」が石垣八重山空港へ飛来するのは初めてです。さらに国内初の取り組みとして、ツアー参加者の航空移動で発生するCO₂をSAFにより100%削減する取り組みを実施しました。
SAFとは、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)の頭文字。廃食油、サトウキビなどのバイオマス原料や、都市ごみ、廃プラスチックから製造され、ライフサイクルでCO₂排出量が大幅に削減できる航空燃料です。
ANA Green Jetの機内においては、環境に配慮し廃プラスチックが再利用された素材やヴィーガンレザーを座席のヘッドレストカバーに使用。機体表面には、鮫肌(リブレット)加工を施すことによって飛行中の空気摩擦抵抗を低減し、CO₂排出量および消費燃料の削減をおこなっています。

ヴィーガンレザーを使用したヘッドレストカバー

 今回、石垣市が企画したツアーには、以下の「サステナブルな観光」の目指すポイントが含まれています。

  • 1. 交通:石垣島までの移動及び島内での移動に必要な交通機関は二酸化炭素排出量の削減に向けた取り組みが具体的に実践されていること
  • 2. 宿泊:客室は料飲サービスの提供における脱炭素や環境保全に配慮していること
  • 3. 観光:脱炭素につながるエコツアーや環境保全及び地域課題解決につながる体験プログラム等が具体的に実践されていること
ビーチクリーンでお世話になったヒデさん(写真左)と柏木さん(写真右)

 今回のツアーでは、石垣島までのフライトにはANAがフィンランドから輸入したSAFを使用。島内の移動バスは国内のバイオ・ディーゼル燃料が使用されました。
 またツアーに参加した方々は、おきなわSDGsパートナーに登録されている「南の美ら花ホテルミヤヒラ」と「石垣島ビーチホテルサンシャイン」に宿泊されました。島内では、石垣島に漂着したペットボトルを原料に作られたTシャツを着て、漂着する数々の漂流物の背景や現状を合同会社縄文企画の田中秀典さん(通称:ヒデさん)に解説してもらいながらビーチクリーンを実施し、漂流物の中から分別したペットボトルキャップを使ったアップサイクル体験も行いました。

明石海岸でのビーチクリーン活動

 また、サンゴの白化や海に住む生物への環境に配慮した赤土流出防止に取り組んでいる酒造会社見学なども実施しました。こちらの酒造会社では、もろみ(搾りかす)を牛や豚の飼料として土に還元する循環型農業も取り組んでいます。
石垣市役所では、今回のツアーを企画頂いた担当の方からサステナブルな観光について直接お話を伺うことが出来ました。

ペットボトルキャップをアップサイクルしたキーホルダー(写真左)、酒造会社の見学の様子(写真右)

 今回ツアーに参加した方々からは「漂着してきたペットボトルは全てキャップが閉まっているのを不思議に思っていたが、キャップが閉まっていないペットボトルは容器の中に海水が流れ込み海底に沈んでしまっているのが現状で、漂着物は全体の一握りであることを説明受けはじめて知りました。」「石垣市が取り組んでいるサステナブルな観光を是非今後も継続的に行っていただき、他の地域にも波及していってほしい」といったお話を伺えました。ツアーに参加した私も、これからの石垣島、八重山諸島に訪れる方々をサポートする航空会社社員として、今後も持続的な環境保全活動を行い、まわりの仲間に対して意識向上を図り、日常業務での環境負荷低減のため3R(Reduce Reuse Recycle)を実践していこうと強く思いました。

平久保崎灯台(写真左)石垣島の星空(写真右)

 石垣島を旅行の目的地として選んで頂く理由は、綺麗な海を見ながらゆっくり寛ぎたい、マリンスポーツをエンジョイしたい、美味しい石垣八重山の食材を堪能したい、満天の星空を観たいなど様々あるかと思いますが、少しでも石垣島の現状を知っていただいた上で、ANA便をご利用いただき石垣島にお越しください!

* 今回、ツアーに参加されたお客様全員の羽田=石垣往復時に航空移動で発生するCO2排出量を算出し、それを100%削減できる数量のSAFを「ANA Green Jet」で使用しました。SAFにより100%削減する取り組みは国内初です。