第24-011号
2024年5月9日
本邦初 航空機地上支援器材の代替燃料として
リニューアブル ディーゼルの利用実証を開始
- ・2024年5月9日より、日本国内で初めて、航空機地上支援器材の代替燃料として、リニューアブルディーゼルの利用実証を羽田空港で開始します。
- ・リニューアブルディーゼルは既存の車両や給油設備をそのまま活用でき、軽油の代替燃料としてCO2削減に有効と期待されます。
- ・今回の利用実証を通じて、リニューアブルディーゼルの安定供給・利用上の課題、制度上の課題を検証し、空港の脱炭素化の選択肢として将来の本格導入に向けた準備を進めてまいります。
ANAは、2024年5月9日より、日本国内で初めて、航空機の運航を支える航空機地上支援器材※1(以下、「GSE」)の代替燃料として期待されるリニューアブルディーゼル※2 (以下、「RD」)の利用に関わる実証を、羽田空港で開始します。
ANAグループは、中期環境目標として、2030年までに航空機の運航以外で発生するCO2を2019年度比で33%削減することを目指しております。現在、GSEの燃料は軽油(ディーゼル)が主で、使用する全てのGSEを電動化することは難しいという課題があります。その中で、RDは既存の車両や給油施設をそのまま活用することが可能な「ドロップイン」燃料であり、軽油の代替燃料としてCO2削減に有効と期待されます。
昨年9月、ANAは、伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長CEO:吉田 朋史)等と共に東京都の「バイオ燃料活用における事業化促進支援事業」※3に採択されており、今回の利用実証は、その一環で行うものです。2025年3月末までの事業期間を通じて、RDの安定供給・利用上の課題、制度上の課題を検証し、空港におけるオペレーションの脱炭素化の選択肢として将来の本格導入に向けた準備を進めてまいります。
ANAは今後も、自治体やパートナー企業のみなさまと協力し、航空機の運航以外で発生するCO2排出量の削減を含む、炭素循環社会の実現に向けた取り組みを促進してまいります。
- ※1 航空機地上支援器材:GSE(Ground Support Equipment)
航空機牽引車やパッセンジャーステップ車、航空機の貨物室へコンテナを搭降載するハイリフトローダー車等、航空機の運航に不可欠な特殊車両の総称。大きなエネルギーが必要であり、現在は軽油を燃料とする車両が多い。 - ※2 リニューアブルディーゼル:RD (Renewable Diesel)
食料と競合しない廃食油や廃動植物油等を原料として生産される次世代バイオ燃料で、性状は石油由来の軽油と同等。
現在、日本国内において、RDは「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」、および「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)」上は、バイオ起源の燃料であるためCO2排出の報告対象外。製造から消費までの環境負荷を評価するライフサイクルアセスメントでのCO2排出量は、軽油対比で70-90%削減できるとされている。
RDはSAF(Sustainable Aviation Fuel)製造工程で一定数量製造される連産品で、RD普及はSAFのサプライチェーン強化にも繋がる。 - ※3 東京都バイオ燃料活用における事業化促進支援事業 採択について:
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202309/20230905-2.html
以上
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