第24-22号
2024年8月5日
ANAがJAXA日本人宇宙飛行士候補者基礎訓練
「心理支援プログラム」の実施企業に選定されました
- ・ANAホールディングスは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)により、日本人宇宙飛行士候補者を対象とした基礎訓練の一つである「心理支援プログラム」の実施企業として選定されました。
- ・2024年5月~9月の期間、ANAグループの総合トレーニングセンターであるANA Blue Baseにて、「心理支援プログラム」の教育訓練を実施しています。
- ・これまでANAグループで培ってきた航空機の安全運航のための訓練のノウハウを活かし、宇宙飛行士育成に貢献してまいります。
ANAホールディングスは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構より日本人宇宙飛行士候補者を対象とした基礎訓練の一つである「心理支援プログラム」の実施企業として選定されました。
「心理支援プログラム」では、国際宇宙ステーション滞在を含む長期ミッションに携わる宇宙飛行士に求められる行動特性の8つ要素の向上を行います。今般、ANAグループで培ってきた安全運航のための教育訓練である「クルーリソースマネジメント(CRM:Crew Resource Management)訓練」(以下、CRM訓練)、「異文化適応教育」、そして「英語訓練」を組み合わせ「心理支援プログラム」で求められる要素を網羅した訓練を実施します。
ANAグループでは、利用可能なすべてのリソースを有効に活用することにより、安全で効率的な運航を実現することを目的としたCRM訓練を運航乗務員を対象として1987年から開始し、長年深化させてきました。そして、現在では同訓練を運航乗務員、客室乗務員、整備士、運航管理者など、運航に関わるスタッフへ実施しています。これまでANAグループで培ってきた航空機の安全運航のための訓練のノウハウを活かし、宇宙飛行士育成に貢献してまいります。
【心理支援プログラムの実施概要】
実施時期 : 2024年5月~9月
実施場所 : ANAグループの総合トレーニングセンター「ANA Blue Base」
実施内容 : 心理支援プログラムでは、国際宇宙ステーション滞在を含む長期ミッションに携わる宇宙飛行士に求められる行動特性の8つ要素(HBP-8※1)の向上を目的とし、ANAグループが運航乗務員に実施している「CRM訓練」と「英語訓練」、そして、客室乗務員に実施している「異文化適応教育」を実施します。
【HBP-8とANAグループの各訓練の相関図】
※1:Human Behavior and Performance-8
訓練詳細 :
【CRM(Crew Resource Management)訓練】
- ・CRMとは「安全で効率的な運航を実現するために利用可能な全てのリソース(人的資源や情報等)を有効活用する」という航空分野で開発された考え方です。
- ・CRM訓練は、運航業務を安全かつ効率的に行うために必要となる「コミュニケーション・チームワーク状況認識・意思決定」といった個人やチームの行動や振る舞いを強化・向上させるための訓練として、世界各国の航空会社で開発・導入されています。そして、この訓練は、運航乗務員の操縦技術(テクニカル)を補完する重要な役割を果たしています。
- ・ANAグループでは、運航乗務員のCRMの能力を以下の5つに分類し、これらの能力向上を図っています。毎年定期的に訓練を実施しており、安全運航のための重要な訓練の一つとなっています。
- 1.Communication(情報共有・意思疎通・主張)、
- 2.Team Building(チームワーク・リーダーシップ・環境設定)
- 3.Workload Management(計画・優先順位・配分)
- 4.Situational Awareness(警戒・状況認識・予測 )
- 5.Decision Making(意思決定・問題解決・振り返り)
- ・CRM訓練は各職務の特性に合わせた形式で、運航乗務員、客室乗務員、整備士、運航管理者など運航に関わるスタッフへ実施する訓練です。
- ・この訓練では、「HBP-8 異文化交流」を除く、その他全ての HBP-8の要素で求められる能力をカバーしています。
【異文化適応教育】
- ・グローバルな環境において適切なコミュニケーションを図るために客室乗務員をはじめANAグループで実施している 教育の一つです。
- ・異なる文化や価値観を理解し、異文化環境の中でも不快と感じず過ごせる柔軟性や適応力を培うための訓練を実施し、「HBP-8の異文化交流」の能力向上を図ります。
【英語訓練】
- ・運航乗務員が実施する航空英語試験の模擬を実施し、国際民間航空機関(ICAO※2)で設けられた基準で評価、フィードバックを行う訓練を実施し、「HBP-8の異文化交流」の能力向上を図ります。
- ・ANAグループでは、運航乗務員に対し、国際線乗務に必要な英語能力の維持・向上のために実施している訓練の一つです。
- ※2:国際民間航空が安全かつ整然と発達するよう、また、国際航空運送業務が機会均等主義に基づいて健全かつ経済的に運営されるように各国の協力を図ることを目的として、1944年に採択された国際民間航空条約(通称シカゴ条約)に基づき設置された国連専門機関
以上
- 報道機関からのお問い合わせ先:
ANAホールディングス株式会社
広報・コーポレートブランド推進部
03-6735-1111
- お客様からのお問い合わせ先はこちらからご覧ください。