第24-001号
2024年4月1日
2024年度 ANAグループ入社式 芝田グループCEO挨拶(要旨)
皆さん、こんにちは。ANAホールディングス代表取締役社長の芝田です。ANAグループを代表して、皆さんの入社を心から歓迎します。
コロナ禍を乗り越え、成長軌道へと回帰するまさにこの時期に、37社、2,848名のこれからのANAグループを担う新しい仲間を迎えることができ、大変力強く、大きな喜びを感じております。
格納庫で開催される入社式は2019年以来5年ぶりとなります。格納庫は、約5年に一度、航空機を部品レベルまで点検し、安全に空を飛び続けるための整備を行う、航空会社にとっては安全の原点となる場所です。
今日この場所で、ANAグループの一員となるにあたり決して忘れてならないことは、安全は経営の基盤であり社会への責務である、ということです。
今年は年の始めに羽田空港で痛ましい航空機衝突事故が発生しました。
ANAグループでは、1971年7月の雫石上空での事故を最後として、その後の52年間にわたり、グループ社員一人ひとりが、仲間との相互理解と信頼を元に、責任をもって誠実に行動し、安全を守って来ました。
維持していくべき安全には、運航にかかわる安全だけでなく、皆さんのそれぞれの職場、業務によって、食の安全、お客様からお預かりする個人情報、社員の作業安全など、様々なものがありますが、この格納庫で迎えた今日の日を、一人ひとりが責任感をもち、ANAグループの安全を維持していく一員となる決意の日だと心に銘じていただきたいと思います。
ANAグループは、72年前の1952年、戦後の混乱の中で純民間企業として小さな産声を上げた日本ヘリコプター輸送株式会社から始まりました。
28名の社員と2機のヘリコプターという本当に小さなスタート、ゼロからの挑戦でしたが、社員たちは知恵を出し合い、農薬散布や航空写真の撮影など、小さなことから愚直に努力を重ね、自分達の手で新しい空を開拓する、そしていつかは世界に羽ばたいていくという壮大な夢を追い続けました。
創業10周年にあたり作られた社歌には「世界を結ぶ 愛の橋 築くは この手 この翼 誇りと意気もて今日もゆく」とあります。
まだ、国際定期便を開設する20年以上も前のことですが、我々の先達は、既にそのころから世界の空に想いを馳せており、いま私たちが掲げる「ワクワクで満たされる世界を」という経営ビジョンにつながる高邁な理想を掲げていました。
空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げて、夢にあふれる未来に貢献するという精神は、創業以来変わらずANAグループの根底にずっと流れている不屈の想いです。
現在のANAグループは、航空事業を柱として、航空関連事業や商社事業、旅行事業、不動産事業、研修事業など様々な領域でESG経営を推進することで、グループ経営ビジョンの実現と共に、社会的価値と経済的価値を同時に創出することを目指しています。
これを支えるのは創業時より受け継がれて来たチャレンジ精神と、ANAグループの強みである「人」の力であり、職場、組織を超えた連携によって結束する「グループ総合力」です。
皆さんは、今日、この瞬間からANAグループの仲間となります。
それぞれの職場では、多くの先輩社員や仲間との出会いがあり、新しい経験や学びがあります。
これまでのANAグループの成長を支えてきた多くの先輩社員と同様、皆さん自身もぜひ日々努力し、挑戦し、そして互いを尊重し高め合い、これからのANAグループの成長に向けた原動力となっていただけることを期待いたします。
冒頭申し上げましたが、今年度は成長軌道へと舵をきる年です。ANAの国際線においてはウィーン路線の再開を始め、約4年ぶりとなる新規路線のミラノ、ストックホルム、イスタンブールの就航が予定されています。
また、エアージャパンのシンガポール就航や、羽田空港第2ターミナルにおける国際線の本格運用が始まるなど、未来につながる挑戦が続きます。
新しい環境や生活の中では悩むことや壁にぶつかることもあるでしょう。しかし、それに立ち向かい、解決しようとする努力は必ず実を結びます、そしてANAグループの先輩や仲間はそれを必ず支えてくれます。
一人ひとりがいきいきと活躍し、皆さん自身、そしてお客様、社会の可能性を広げることで、日本を、世界をワクワクで満たしていきましょう。
皆さん、一緒に頑張りましょう。
以上
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