
2022年3月25日
ANAホールディングス株式会社
五島市
株式会社そらや
長崎大学
移植医療環境の向上を目指した離島でのドローン搬送実証実験を実施
本邦初となるドローンによる臓器搬送を行い、有用性を確認
ANAホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:片野坂 真哉、以下「ANAHD」)、五島市(市長:野口 市太郎)、株式会社そらや(所在地:五島市、代表取締役:濵本 翔)、国立大学法人長崎大学(学長:河野 茂、以下「長崎大学」)は、移植医療環境の向上を目指し、本邦初となるドローンによる臓器(ラット肝)の搬送実証実験を長崎県五島市にて2022年3月5日に実施致しました。臓器搬送においては、安全に迅速かつ良い保存状態で臓器を搬送することが重要であり、離島における手段としてドローンの活用が期待されます。本実証実験は、長崎大学大学院 移植・消化器外科 (江口 晋教授、曽山明彦講師)による計画策定ならびに取りまとめのもと、動物愛護管理法に則り実施致しました。
◆臓器移植のプロセスならびにドローンによる臓器搬送の有効性について
臓器移植には、「提供」→「摘出」→「搬送」→「移植」のプロセスがあり、五島市においては「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)により、脳死時の臓器提供または移植を執刀できる病院が存在せず、心停止時の臓器提供のみが可能です。また移植においては執刀医がドナーのいる病院に出向いた上で摘出から搬送を行うことが多いのが現状です。ドローンの活用により搬送の効率化に伴う臓器提供者(ドナー)の機会損失の防止と執刀医の搬送負担軽減による移植医療環境の向上が期待されます。
本実証を通し、ドローン搬送では既存の船での搬送方法と比較しても同等の温度管理、品質の維持、加えて円滑な搬送が可能となり、ドローンによる臓器搬送の安全性・有用性が確認されました。(輸送の安定性、全搬送時間の短縮の可能性等)
◆各社の役割
- ・ANAHD:ドローンの遠隔運航・管理・教育。配送通知を含む配送管理システムの構築、本実証とりまとめ
- ・株式会社そらや:関係者のコーディネーション及びサポート、地域住民、自治体及び港湾・漁港等の調整等
- ・五島市:検証対象となる地域及び関係者との調整等
- ・長崎大学大学院 移植・消化器外科:臓器搬送に関する実証実験計画の策定と取りまとめ、有用性の各種検証。
ANAHDは、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」に基づき、ドローンを目視外飛行させる承認を得ました。 (阪空運第29676号)
◆実証実験概要
- (1) 目的:臓器搬送を行う際のドローン搬送の有用性を、船による搬送と比較して確認
- (2) 実施日時:2022年3月5日(土)
- (3) 飛行区間:長崎県五島市福江港~久賀診療所付近
- (4) 輸送物:臓器(ラット肝)
- (5) 使用機材諸元:マルチコプター型
- ・大きさ: 2.1m ×2.3m × 0.43m
- ・搭載可能重量:4~5kg(バッテリー重量による)
- ・運用最大飛行速度:10m/s
- (6) その他
本実証実験は、長崎大学 (移植・消化器外科)による計画策定ならびに取りまとめのもと、動物愛護管理法に則り実施致しました。
以上
- 報道機関からのお問い合わせ先:
- ANAホールディングス株式会社
広報・コーポレートブランド推進部
03-6735-1111 - 五島市 五島市役所
福祉保健部 国保健康政策課
0959-88-9166 - 株式会社そらや
050-3699-0150 - 長崎大学大学院
移植・消化器外科
095-819-7316
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