

第21-023号
2021年10月29日
2022年3月期 第2四半期決算および通期業績予想について
ANAホールディングス(株)は10月29日(金)、2022年3月期 第2四半期決算を取りまとめました。
詳細は「2022年3月期 第2四半期決算短信」をご参照ください。
- ① 国内では、緊急事態宣言等で上期期間中ほぼ全日で移動制限が続きました。国際線は現在でも出入国が制限されています。このため旅客需要の回復が遅れています。一方、国際貨物は、需要を確実に取り込み、過去最高の売上高を更新しました。
- ② 営業費用は、第1四半期に続き、事業構造改革の推進により、固定費削減の効果が現れています。昨年に比べて、運航規模は拡大していますが、費用は減少しています。
- ③ これらの結果、売上高は、前年から47.7%増加の4,311億円、営業費用は4.5%減少の5,471億円、営業損失は1,160億円、四半期純損失は988億円となりました。
- ④ 足元では旅客需要は増加基調に転じていますが、好調な国際貨物の計画以上の増収と、全社を挙げてのコスト削減努力による利益の押し上げ効果を加味しても、上期に失われた期待収入が大きく、下期の収入合計では全てをカバーしきれないと判断し、通期の業績予想を修正いたします。
- ⑤ 足元の固定費は、コロナ前と比べて約3割減少し、損益分岐点が大幅に引き下がっています。売上の回復を着実に業績の改善につなげ、第4四半期には黒字転換を目指します。
1.2022年3月期 第2四半期の連結経営成績・連結財政状態
- (1)航空事業
新型コロナウイルス変異株の流行による、感染再拡大の影響を受けたものの、旅客需要は前年から増加した他、好調な貨物需要を積極的に取り込み貨物収入が過去最高となったこと等から、売上高は前年同期を上回りました。人件費及び前年の大型機を中心とした早期退役による減価償却費・整備費等の固定費の削減を進めたこと等により、前年同期に比べて損益は良化したものの、営業損失を計上しました。- ① 国際線旅客(ANAブランド)
- ・国際線旅客では、前年から続く各国の渡航規制や、日本の入国者数の制限の影響を受け、旅客需要が大きく低迷した状況が続いています。海外赴任・帰任を中心とするビジネス需要やアジア発北米行の接続需要が回復を始めた他、東京オリンピック・パラリンピック関係者の渡航需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。
- ・路線ネットワークでは、7月から成田空港を発着する一部北米路線の運航を再開し、回復が続いているアジア発北米行の接続需要を取り込む等、運航計画を柔軟に見直し、臨時便の設定等にも努めました。
- ② 国内線旅客(ANAブランド)
- ・国内線旅客では、感染者数の拡大に伴い緊急事態宣言が繰り返される状況が続きましたが、旅客数・収入ともに新型コロナウイルスの影響を大きく受けた前年同期を上回りました。
- ・路線ネットワークでは、航空需要の変動に合わせて運航規模の調整を進めました。また、8月からPeach Aviation(株)が運航する一部路線でコードシェアを開始し、利便性向上に努めました。
- ③ 貨物(ANAブランド)
国際線貨物では、旺盛な需要を背景に、旅客機を使用した貨物専用便を積極的に設定したことに加え、7月から成田=北京線にボーイング767F型機を新規就航させる等、貨物専用機を最大限活用したことにより、日本・アジア発の自動車部品及び半導体・電子機器や、北米・欧州発の電子機器、ワクチン等の医薬品を積極的に取り込みました。以上の結果、輸送重量は前年同期を大きく上回り、収入は過去最高となりました。
- ④ LCC
- ・LCCでも、新型コロナウイルスの影響が続いていますが、旅客数・収入ともに大きく影響を受けた前年同期を上回りました。
- ・路線ネットワークでは、7月に関西=女満別線を開設しました。今後も需要回復の動向を見極め、ネットワークの拡充を図ってまいります。国際線は各国で入国制限が続いているため、4月中旬から全路線で運休しています。
- ⑤ その他
- ・航空事業におけるその他の収入は607億円(前年同期681億円、前年同期比10.8%減)となりました。なお、航空事業におけるその他の収入には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
- (2)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
- ① 航空関連事業
- ・売上高976億円(前年同期比18.5%減) 営業利益16億円(同80.6%減)
- ・旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務が減収したことや、投資抑制の影響によりシステム開発業務等の取扱高が減少した結果、売上高は前年同期を下回りました。
- ② 旅行事業
- ・売上高196億円(前年同期比42.0%増) 営業損失1億円(前年同期 営業損失40億円)
- ・海外旅行は前年に引き続き当社グループが主催する全てのツアーを催行中止としたことに加え、国内旅行は「Go Toトラベルキャンペーン」の効果があった前年同期に比べて取扱いが減少しました。一方、グループ内においてデジタルマーケティング等の機能が移管されたことにより受託収入が増加しました。以上の結果、売上高は前年同期を上回り、損益は改善しました。
- ③ 商社事業
- ・売上高383億円(前年同期比0.2%増) 営業利益0億円(前年同期 営業損失28億円)
- ・航空需要の緩やかな回復に伴い、空港物販店「ANA FESTA」等で増収となった他、半導体市場の好調な需要を受けて電子事業の取扱高が増加しました。一方で、当期より収益認識会計基準を適用したことによる減収影響もありましたが、売上高は前年同期をわずかに上回りました。
- ④ その他
- ・売上高174億円(前年同期比5.6%減) 営業利益6億円(同22.5%減)
- ・新型コロナウイルスの影響により、建物・施設の保守管理事業において取扱高が減少したこと等から、売上高は前年同期を下回りました。
- (3)連結財政状態
- (4)連結キャッシュ・フロー
- 2. 2022年3月期の見通し
- ・連結業績予想につきましては、国際線貨物需要が好調に推移する一方で、変異株の流行等によりコロナ影響が長期化したため、当初の想定よりも旅客需要が大きく減少しました。足元では国内の新規感染者数の減少に伴い、国内線旅客需要に回復傾向が見られますが、需要の本格的な回復時期が遅れています。
- ・運航関連の変動費の抑制に加えて、整備費・外部委託費等の固定費削減の深掘りを実行し営業費用削減に取り組んでまいりますが、売上高の減少影響が大きく、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても同様に大幅に減少することにより損失を計上する見通しであることから、2022年3月期の連結業績予想につきまして下表の通り修正いたします。
以上
- 報道機関からのお問い合わせ先:
ANAホールディングス株式会社
広報・コーポレートブランド推進部
03-6735-1111
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