第21-023号
2021年6月18日
微細藻類を原料とするSAFを使用した
フライトを実施しました
- ・航空分野の気候変動対策の観点から、CO2削減効果のあるSAF(Sustainable Aviation Fuel :持続可能な航空燃料)の活用が見込まれています。
- ・今般、国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)では、SAFの技術開発に取り組んでおり、本事業で製造した国産のSAFを使用し、2021年6月17日にANAの国内線定期便による商業フライトを実施しました。
- ・今後とも、関係者、関係省庁と一体となって、SAFの製造技術に係る研究開発、普及促進、量産体制およびサプライチェーンの構築等に取り組んでまいります。
- 1. 背景
国土交通省航空局および経済産業省資源エネルギー庁が、将来的なSAFの導入に向けたサプライチェーンの確立、普及促進を見据え、SAFの製造者・利用者が一体となった取組を実施すべく、関係事業者と連携して企画を行ってきたものです。
国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)では、SAFの技術開発に取り組んでおり、2020年度における技術開発の成果として、株式会社IHI(他1社)がSAFを製造しました。
ANAでは、これらの成果を踏まえて、株式会社IHIが製造し、完成したSAFを羽田空港発の定期便(商業フライト)に使用しました。
なお、「ASTM D7566 Annex7」の規格に基づくSAFを搭載した商業フライトは、世界で初となります。 - 2. フライトの概要
- 日 付 : 2021年6月17日
- 便 名 : NH 31便
- 区 間 : 羽田発 - 伊丹行
- 機 材 : B787-8
- 3. SAFの概要
株式会社IHIでは、微細藻類(高速増殖型ボツリオコッカスHGBb※1)の大規模培養と、その微細藻類が生成する藻油からSAFを一貫製造する技術を確立し、SAFの商業フライトに必要な国際規格「ASTM D7566 Annex7※2」を取得しました。
製造されたSAFは、いずれも国際規格である「ASTM D7566およびD1655※3」への適合を確認しました。
- ※1 高速増殖型ボツリオコッカスHGBb(Hyper-Growth Botryococcus braunii)
培養速度を向上するべく改良された油分の多い微細藻類。 - ※2 ASTM D7566 Annex7
ASTM International(旧称American Society for Testing and Materials: 米国試験材料協会)が定める航空用代替ジェット燃料に関する規格。
Annex7は、微細藻類ボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)から抽出した粗油(炭化水素を主成分とする)を水素化処理で合成した液体炭化水素燃料を規定。
IHIが独自にASTMに規格申請し、2020年5月に承認された。 - ※3 ASTM D1655
ASTM International(旧称American Society for Testing and Materials: 米国試験材料協会)が定める航空用ジェット燃料に関する規格。
D1655は、従来型の化石由来ジェット燃料のこと。
(ご参考)
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