ANA HOLDINGS NEWS
ANA

第21-005号
2021年4月30日

2021年3月期決算について


 ANAホールディングス(株)は4月30日(金)、2021年3月期決算を取りまとめました。
 詳細は「2021年3月期決算短信」をご参照ください。

1.2021年3月期の連結経営成績・連結財政状態

  • (1)概況
    • ・当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、企業の生産活動や設備投資等において持ち直しの動きは続いておりますが、個人消費等には弱さがみられます。
    • ・航空業界は、各国の入国規制や外出自粛等により人の移動が激減したことから、世界的に厳しい状況にあり、当社グループにおいても、旅客需要が著しく減退し、売上高は前期を大幅に下回りました。一方で、貨物においては、海上輸送の混雑等によって高まった需要を積極的に取り込んだ結果、貨物収入は過去最高となりました。
    • ・コロナ禍においてもお客様に航空機をより安心・安全にご利用いただくために、空港や機内等の清潔・衛生的な環境づくりに対する取り組み(ANA Care Promise等)を行ってまいりました。その結果、英国SKYTRAX社から新型コロナウイルス対策において最高評価の「5スター」に認定されました。また、過去10年間における様々な取り組みが評価され、英国の航空専門誌Flight Global社における「Decade of Airline Excellence Awards 2020」のアジア太平洋部門で「最優秀賞」を受賞しました。
    • ・事業における安全と品質の追求や環境効率性の追求等の取り組みが評価され、米国S&P Global社「Sustainability Awards 2021」において、最高格付であるゴールドクラスに航空会社として唯一選定された他、世界の代表的な社会的責任投資の指標である「Dow Jones Sustainability World Index」の構成銘柄に4年連続で選定されました。

 これらの結果、売上高は大幅に減少し7,286億円となりました。運航規模の抑制による変動費の削減に加え、人件費等の固定費を削減し5,900億円のコスト削減策を実行しましたが、営業損失は4,647億円、経常損失は4,513億円、親会社株主に帰属する当期純損失は4,046億円となりました。なお、収支改善を進めるために、事業構造改革費用として863億円を特別損失に計上しております。

  • (2)航空事業
    • ①国際線旅客(ANAブランド)
      • ・国際線旅客では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界各国での入国規制により、需要が著しく低迷したことで旅客数・収入ともに前期を大幅に下回りました。
      • ・路線ネットワークでは、大規模な運休・減便を継続する中でも、海外赴任・帰任等の需要動向を見極め、運航継続路線の選択や臨時便の設定等に努めました。また、貨物輸送を中心に需要が一定程度見込まれたことから、12月から日本の航空会社として初めて成田=深圳線を開設した他、羽田=サンフランシスコ線の運航を開始しました。この結果、当期における運航規模は前期比で21.0%となりました。
      • ・営業・サービス面では、8月から日本発片道割引運賃を販売し、海外赴任や留学等の需要の取り込みを図った他、本年1月より、帰国時の行動制限に際してご利用いただけるホテルや交通手段を容易に手配できる「ご帰国あんしんサービス」サイトを新設しました。

 結果として、国際線旅客収入は、447億円(前期比92.7%減)となりました。

  • ②国内線旅客(ANAブランド)
    • ・国内線旅客では、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、旅客数・収入ともに前期を大幅に下回りました。5月の緊急事態宣言解除以降、需要は回復傾向にありましたが、12月から感染者数の増加に伴い再び減少に転じる等、感染者数の動向に連動して推移しました。
    • ・路線ネットワークでは、第1四半期の運航規模は前年同期比26.7%でしたが、需要の回復に合わせて運航便数を増やし、第2四半期(7月~9月)は同50.7%、第3四半期(10月~12月)は「Go Toトラベルキャンペーン」の効果もあり同61.4%となりました。しかし、第4四半期(本年1月~3月)は需要の減退に対して運航便を抑制した結果、同44.7%となる等、需要動向を注視しながら機動的に運航規模を調整しました。
    • ・営業・サービス面では、7月から日程や行先の変更の際に手数料がかからない「あんしん変更キャンペーン」を実施した他、MaaS(Mobility as a Service)に対応した当社グループ独自の経路検索サービスである「空港アクセスナビ」において、航空便の運航情報と連携した鉄道やバス・タクシー等の地上交通機関の経路の検索から予約・決済まで一気通貫して行える機能を拡充しました。今後も旅の始まりから終わりまでのシームレスな移動の実現に向けた取り組みを進め、利便性向上に努めてまいります。

 結果として、国内線旅客収入は、2,031億円(前期比70.1%減)となりました。

  • ③貨物(ANAブランド)
    • ・国際線貨物では、新型コロナウイルスの影響により世界的に旅客便の運休・減便が発生し、貨物搭載スペースの供給量が低位に推移する中、第1四半期にマスク等の緊急物資の輸送需要が増加しました。
    • ・8月以降は自動車関連部品や半導体・電子機器等の需要の回復に加え、特に第4四半期(本年1月~3月)において海上輸送が混雑した結果、需給の逼迫は継続しました。
    • ・このような状況において、当社グループでは、10月に成田=フランクフルト線、12月に成田=バンコク線に大型貨物機ボーイング777F型機を就航させた他、貨物専用機による臨時便や旅客機を使用した貨物臨時便を大幅に増やす等、積極的に需要の取り込みを図りました。
    • ・また、本年2月よりファイザー社製の新型コロナワクチンの輸送を開始しました。ワクチンの普及により安心して生活できる社会の実現に貢献すべく、厳密な温度管理のもと万全の態勢で輸送を行ってまいります。

 結果として、国際線貨物収入は、過去最高の1,605億円(前期比56.3%増)となりました。

  • ④LCC
    • ・LCCでは、新型コロナウイルスの影響により需要が大きく減退した結果、旅客数・収入ともに前期を大幅に下回りました。5月の緊急事態宣言解除以降、国内線の旅客需要は徐々に回復していたものの、感染者数の増加に伴い12月からは減少に転じています。
    • ・路線ネットワークでは、第1四半期の国内線の運航規模は前年同期比42.0%でしたが、コロナ後の旅客需要の増加に合わせたネットワークの回復に加えて、8月以降に新たに10路線を新規開設しました。しかし、第4四半期には、旅客需要の減少に合わせて運休・減便を実施した結果、運航規模は前年同期比78.9%となりました。
    • ・国際線では、全路線で運休が続いていましたが、入国制限の緩和等に伴い、10月より台北(桃園)への運航を部分的に再開しました。
    • ・営業・サービス面では、お客様に安心してご利用いただくために、11月から国内線の一部路線で航空券予約と新型コロナウイルス感染症の検査を同時に申込みできるサービスを実施しました。

 結果として、LCCの売上高は、220億円(前期比73.1%減)となりました。

  • ⑤その他
    • ・航空事業におけるその他の収入は1,472億円(前期比34.8%減)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
  • (3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
    • ・航空関連事業では、新型コロナウイルスの感染拡大による航空各社の運休・減便の影響により、旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託及び、機内食関連業務の受託が減少したこと等により、売上高は前期比25.8%減となりました。
    • ・旅行事業では、新型コロナウイルスの感染拡大により、海外旅行・国内旅行ともに大きな影響を受けました。海外旅行は渡航制限の影響により、当社グループが主催する全ツアーの催行を中止しました。国内旅行は7月からの「Go Toトラベルキャンペーン」の後押し等により、第3四半期(10月~12月)にはインターネット販売のダイナミックパッケージ商品の取扱高は前年同期を上回る等、需要は徐々に回復しましたが、感染者数増加の影響により12月からは減少に転じました。一方で、新たな需要を取り込むため、11月より「ANAトラベラーズ オンラインツアー」の設定を開始しました。また、当社グループならではの企画として、ハワイ路線に投入しているエアバスA380型機「FLYING HONU」を使用した国内遊覧飛行を実施した他、本年3月には羽田空港に駐機する国際線機材でファーストクラス・ビジネスクラスのお食事やサービスを提供する「翼のレストラン HANEDA」を開始しました。以上の結果、当期の旅行事業における売上高は450億円(前期比68.7%減)、営業損失は50億円(前期 営業利益13億円)となりました。
    • ・商社事業では、新型コロナウイルスの感染拡大により、リテール部門の空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」を中心に大きく影響を受けました。「ANA FESTA」の取扱高は、国内線旅客数の増加に伴い徐々に回復していましたが、12月からは減少に転じています。また、生活産業部門では、機内で提供する飲料・食品やアメニティ等の機用品の取り扱いが大幅に減少しました。以上の結果、当期の商社事業における売上高は799億円(前期比44.8%減)、営業損失は42億円(前期 営業利益29億円)となりました。
    • ・その他では、不動産関連事業の収入が堅調に推移した一方で、新型コロナウイルスの影響により、ラウンジの閉鎖に伴う受付管理業務の受託が減少した他、講師派遣等の研修事業の収入が減少しました。これらの結果、当期のその他の売上高は366億円(前期比17.1%減)、営業損失は0億円(前期営業利益35億円)となりました。なお、4月に新たなビジネスモデルの創出を目的に「avatarin(アバターイン)(株)」を設立し、遠隔操作ロボットであるアバターを観光やショッピング等で利用するサービスの検証を実施しました。サービスの普及・拡充やアバターの性能向上に取り組み、新しい社会インフラを創造してまいります。
  • (4)連結財政状態
  • (5)連結キャッシュ・フロー
  • 2.2022年3月期の見通し
    • ・今後の経済見通しにつきましては、新型コロナウイルスの影響により厳しい状況にある中、各種政策の効果や海外経済の改善により持ち直しが期待されていますが、引き続き感染の動向が内外経済に与えるリスクが懸念されています。
    • ・大都市圏における感染拡大を背景とした外出自粛の長期化や、世界各国の入国制限が当社に与える影響は大きく、前期に引き続き業績への影響は避けられないと考えています。一方でわが国においても本年2月よりワクチン接種が開始されており、既に接種の先行している諸外国の事例からも今後順調に接種が進めば感染拡大が沈静化し、航空需要が急速に回復することが期待されています。
    • ・このような状況下で当社グループでは、2020年10月27日に公表した「ANA グループの新しいビジネス・モデルへの変革」に基づき、コロナがもたらす人々の行動変容に対応し、感染症の再来にも耐え得る強靭な企業グループに生まれ変わるための事業構造改革プランを着実に遂行してまいります。ANAブランドを中心に航空事業の規模を一時的に縮小することで固定費の大幅な削減を進めた上で、今後の成長軌道への回帰を見据えた最適な航空事業のポートフォリオを追求するとともに、顧客データを活用したプラットフォーム事業の確立により新たな収益機会の創出を目指します。資金面では、劣後特約付シンジケートローン等の金融機関からの借入や、事業構造改革の加速並びに財務基盤の強化等を目的とした公募増資等により、2021年3月末時点においては十分な手元流動性を確保しておりますが、今後も航空機等の設備投資を精査・抑制する他、実施時期の見直しを行いキャッシュフローの改善に努めてまいります。
    • ・ANAブランドにおいては、国際線旅客・国内線旅客ともに、感染状況や各国の入国規制等を注視しつつ当面は運航便の抑制を継続しますが、需要回復局面においては機動的に運航便の再開を図り積極的に需要を取り込んでまいります。国際線貨物では、世界的な旅客便の運休・減便が続く中、経済の回復を背景とした貨物の好況による需給の逼迫は継続することが見込まれるため、前期に引き続き積極的な需要の取り込みを図ってまいります。LCCでは当面は需要減退に合わせた運航規模の調整を継続する一方で、国内線の新規路線開設や一部路線での増便を計画していることに加え、需要回復期においては積極的にネットワークの拡充を図ってまいります。なお、ANAセールス(株)における旅行事業について、本年4月に顧客データを活用したプラットフォーム事業を担うANA X(株)へ移管しました。新会社のもとデジタル領域での販売を強化するとともに、ホテルやレストラン等の商品ラインアップの充実に努めてまいります。また、航空関連事業、商社事業においても、事態の収束後、適宜事業の回復と強化・拡大に向けた取り組みを実施してまいります。

これらにより2022年3月期の連結業績見通しは以下の通りとなります。なお、配当につきましては、このような未曽有の厳しい経営環境の下では、将来の不確実性に対応できる手元流動性を確保しつつ、財務基盤を強化することが当面の課題でありますことから、誠に遺憾ながら次期につきましても配当は見送らせていただく予定です。

以上

  • 報道機関からのお問い合わせ先:
    ANAホールディングス株式会社
    広報・コーポレートブランド推進部
    03-6735-1111

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