第20-004号
2020年4月28日

2020年3月期決算について


 ANAホールディングス(株)は4月28日(火)、2020年3月期決算を取りまとめました。
 詳細は「2020年3月期決算短信」をご参照ください。

1.2020年3月期の連結経営成績・連結財政状態

  • (1)概況
    • ・当期のわが国経済は、企業収益が高水準で推移し個人消費の持ち直しがみられる等、景気は緩やかに回復していましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化し、極めて厳しい状況になりました。
    • ・米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の冷え込み等により、国際線貨物の需要が低迷したものの、堅調な国内線旅客需要や国際線ネットワークの拡大等により、第3四半期までの業績は堅調に推移しました。第4四半期は新型コロナウイルスの感染拡大による、世界各国の入国制限措置や国内の外出自粛等の影響で国内外の移動需要が急激に減退しました。
    • ・英国SKYTRAX社から、顧客満足度で最高評価となる「5STAR」に8年連続で認定された他、世界の航空データを分析・評価するグローバルブランドであるCIRIUMのThe On-Time Performance Awardsにて、2019年の定時到着率がアジア・パシフィック地域で1位、全世界では2位に認定されました。
    • ・また、経済産業省と東京証券取引所から、戦略的なIT活用に取り組む企業として、「攻めのIT経営銘柄」に2年連続で選定されました。さらに、「攻めのIT経営銘柄」選定企業の中から、最も「デジタル時代を先導する企業」として、当期より新設された「DXグランプリ」にも選定された他、東京証券取引所が主催する「第8回企業価値向上表彰」において、投資家視点の経営を実践している企業として優秀賞を受賞しました。

 これらの結果、当期における連結業績は、急激な需要の落ち込みを受け、運航規模の調整を行ったものの、売上高の減少の規模ははるかに大きく、売上高は1兆9,742億円、営業利益は608億円、経常利益は593億円となりました。特別損益において、航空機の受領遅延やエンジンの不具合に対する補償金を計上した一方、Peach・Aviation(株)に係るのれんの減損を行ったこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は276億円となりました。
 配当につきましては、株主の皆様に対する還元を経営の重要課題と認識しており、中長期的な企業価値向上に 向けた成長投資の原資確保や財務の健全性の維持を前提としつつも、株主還元を一層充実させていきたいと考えております。
 しかしながら新型コロナウイルス感染症が当社グループの業績に与える影響は甚大であり、現時点では、その終息時期が全く見通せない状況にあります。このような未曽有の厳しい経営環境の下では、手元流動性を確保することが喫緊の課題でありますことから、誠に遺憾ながら配当は無配とさせていただくことといたしました。

  • (2)航空事業
    • ①国際線旅客(ANAブランド)
      • ・国際線旅客では、新規路線の開設やハワイ線へのエアバスA380型機の投入等でネットワークを拡充し需要を取り込んだものの、1月末より中国線で新型コロナウイルスによる需要減退の影響を受け始め、その後アジア線、北米線、欧州線、ハワイ線に拡がったため、旅客数・収入ともに前期を下回りました。
      • ・路線ネットワークでは、新規都市への就航を積極的に推進し、9月から成田=パース線(オーストラリア西部)、10月から成田=チェンナイ線(インド南部)、本年3月から成田=ウラジオストク線(ロシア東部)を開設しました。また、5月より成田=ホノルル線に世界最大の旅客機であるエアバスA380型機「FLYING HONU」を投入しました。一方で、新型コロナウイルス影響による需要減退を受け、2月より需給調整を行い、3月末までに71路線・2,814便を対象に運休・減便を実施しました。
      • ・営業・サービス面では、ファーストクラス、ビジネスクラスに約10年ぶりとなる新シートを導入し、機内空間を一新したボーイング777-300ER型機を、8月から羽田=ロンドン線、11月から羽田=ニューヨーク線、成田=ニューヨーク線、本年2月から羽田=フランクフルト線に投入しました。

       結果として、国際線旅客収入は、376億円の減収(前期比5.8%減)となりました。
    • ②国内線旅客(ANAブランド)
      • ・国内線旅客では、好調なビジネス需要と訪日旅客の国内移動に加え、ゴールデンウィーク10連休の旺盛な需要を取り込むとともに、各種割引運賃を需要に応じて設定したこと等により好調に推移していたものの、2月末からは新型コロナウイルスの影響で需要が大幅に減退し、旅客数・収入ともに前期を下回りました。
      • ・路線ネットワークでは、5月から成田=中部線、10月から中部=熊本線を増便した他、路線便数の最適化や投入機種の柔軟な調整を推進し、ネットワークの効率化を図りました。また、新型コロナウイルスによる需要の減退局面において、公共交通機関としてネットワークの維持に努めながらも、3月より一部減便を開始し、合計42路線・2,674便の運休・減便を行いました。
      • ・営業・サービス面では、搭乗の355日前から購入可能な割引運賃を設定する等、ゴールデンウィーク期間や夏休み期間を含め早期から需要の取り込みを図った他、11月よりボーイング777-200型機に、新たにタッチパネル式パーソナルモニターを装着した普通席や、電動リクライニングにより快適性と機能性が向上したプレミアムクラスの新シートを順次導入しました。また、那覇空港では9月に隈研吾氏監修のもとANA LOUNGEをリニューアルし、11月に出発カウンターのレイアウト変更や自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」等を国内4空港目として導入する等、フルサービスキャリアとしてサービス品質の向上に努めました。

       結果として、国内線旅客収入は、166億円の減収(前期比2.4%減)となりました。
    • ③貨物(ANAブランド)
      • ・国際線貨物では、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の減速を受け、日本発・海外発貨物ともに通期で需要は低位に推移したことに加え、2月より新型コロナウイルスの影響で多数の減便が生じたため、輸送重量・収入ともに前期を下回りました。
      • ・路線ネットワークでは、7月から成田=上海(浦東)線、10月から成田=シカゴ線へ大型貨物機ボーイング777F型機を導入し、比較的需要が好調な半導体製造装置をはじめとする大型特殊貨物の需要を取り込んだ他、第4四半期には新型コロナウイルス発生に伴う緊急物資輸送等の対応に努めました。

       結果として、国際線貨物収入は、223億円減収(前期比17.9%減)、国内線貨物収入は、19億円減収(前期比7.0%減)、となりました。
    • ④LCC
      • ・LCCでは、香港の市民デモや日韓関係の悪化、期末にかけての新型コロナウイルスの感染拡大により需要が大幅に減退したため、旅客数・収入ともに前期を下回りました。なお当期においては、10月にバニラ・エア(株)の運航が終了し、Peach・Aviation(株)とバニラ・エア(株)の事業統合が完了しております。
      • ・路線ネットワークでは、バニラ・エア(株)の10路線の移管を終えた他、本年3月に成田=鹿児島線、成田=長崎線を開設しました。一方で、新型コロナウイルスの影響で2月より国際線の一部で運休を行い、3月末までに国際線・国内線合わせて23路線・2,088便を対象に運休・減便を実施しました。
      • ・営業面では、Peach・Aviation(株)とバニラ・エア(株)の統合後、「“空飛ぶ電車”Peachセール」を全40路線で実施し販売促進に努めました。

       結果として、LCCの売上高は、116億円の減収(前期比12.5%減)となりました。
    • ⑤その他
      • ・航空事業におけるその他の収入は2,257億円(前期比6.6%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
  • (3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
    • ・航空関連事業では、関西空港、中部空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、沖縄にて本格的な事業展開を開始した航空機整備のMRO Japan(株)が、当期より新たに連結子会社として加わったこと等により、売上高は2,994億円(前期比2.9%増)となり、営業利益は181億円(同37.7%増)となりました。
    • ・旅行事業では、国内旅行において、店頭販売を中心とする「ANAスカイホリデー」の取扱高が通期で減少したものの、国内旅行、海外旅行ともにインターネット販売商品の集客が好調だった他、ゴールデンウィーク10連休の需要を取り込んだこと等により、第3四半期までは堅調に推移しましたが、1月末より新型コロナウイルス感染拡大に伴うキャンセルの増加や新規予約減少の影響を受けたことで、売上高は前期を下回りました。一方、システム費用が減少したこと等により、営業利益は前期を上回りました。これらの結果、当期の旅行事業における売上高は1,439億円(前期比4.5%減)、営業利益は13億円(同129.9%増)となりました。
    • ・商社事業では、航空・電子部門において、航空機部品等の取扱高が増加したものの、食品部門でナッツ類等の取扱高が減少した他、リテール部門で、特に第4四半期において、新型コロナウイルスの影響で空港利用者が大幅に減少し、空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」の取扱高が減少したこと等により、売上高は前年同期を下回りました。これらの結果、当期の商社事業における売上高は1,447億円(前期比3.9%減)、営業利益は29億円(同21.5%減)となりました。
    • ・その他では、不動産関連事業においてサブリース取扱高が増加し、保有物件の売却を行った他、建築設備事業において羽田空港ターミナルの設備改修や建築工事関連の収入が増加しました。これらの結果、当期のその他の売上高は442億円(前期比8.0%増)、営業利益は35億円(同55.0%増)となりました。
  • (4)連結財政状態
  • (5)連結キャッシュ・フロー

2.2021年3月期の見通し

 2021年3月期の連結業績予想については未定とさせていただき、開示が可能となった時点で速やかに開示いたします。なお、配当につきましても、現段階では未定とさせていただき、合理的な予想の開示が可能となった時点で速やかに公表いたします。

  • ・今後の経済見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれており、感染症の拡大が世界経済を更に下振れさせるリスクも懸念されています。政府による緊急経済対策が計画されているものの、企業収益の低下による雇用・所得環境の悪化、個人消費の低迷による業績への影響は避けられないと考えています。
  • ・国内における外出自粛や海外への渡航制限、外国人の入国制限等の感染拡大防止策の継続が直接的に当社に与える影響を踏まえると、新型コロナウイルス感染症の終息時期が不明な現時点では、業績見通しを合理的に算定することが困難です。
  • ・このような未曾有の状況下で、航空事業において引き続き運航規模を抑制し、燃油費等の運航関連費用を削減する他、役員報酬・管理職賃金の減額や従業員の一時帰休の活用等で人件費を削減することに加え、航空機等の設備投資を精査・抑制し、実施時期も見直していきます。また、本年4月に金融機関から1,000億円の借入を行う他、融資枠として既存の1,500億円に加えて新たに3,500億円のコミットメントライン契約を本日(2020年4月28日)締結する等、今後も必要に応じて適宜新規借入等の資金調達を行い、グループ各社の手元流動性の確保に努めてまいります。
  • ・ANAブランドでは本日(2020年4月28日)時点において、運航便数では当初の計画から国際線で約9割、国内線で約7割の運休・減便を行っていますが、感染拡大の状況や各国の出入国規制、需給環境、景気動向等を注視し、将来の需要回復局面においては適宜運航便の再開を図り、積極的に需要を取り込んでまいります。更に、国際線旅客では羽田空港から新規開設及び増便を14路線で実施し、国内線旅客では国際線接続に適した時間帯に羽田=関西線を期間増便する等、ネットワークを拡充する他、必要な需要喚起策や適切な運賃設定を通じて収入最大化を目指します。
  • ・LCCでは、バニラ・エア(株)の成田拠点を引き継いだPeach・Aviation(株)が、成田・関西の2大拠点を軸としたネットワークの拡充を図り「アジアのリーディングLCC」を目指してまいります。
  • ・また、本年4月に新たなビジネスモデルの創出や社会課題の解決を目的に「avatarin(アバターイン)(株)」を設立し、遠隔操作ロボットであるアバターを社会インフラとして、医療、介護、教育、ショッピング等様々な用途で利用可能なサービスとして展開してまいります。

以上

印刷をされる方はこちらをご利用ください

  • ■報道機関等からのお問い合わせ先:
    ANAホールディングス(株)
    広報・コーポレートブランド推進部:
    03-6735-1111
  • ■その他の各種お問い合わせ先はこちらからご覧ください。

PDF形式を閲覧するには
Adobe Readerが必要です。

Get Adobe® Reader®