第20-001号
2020年4月1日

新入社員への片野坂グループ CEO メッセージ(要旨)


 ANAグループに入社した、38社、3,686名の新入社員の皆さん。入社おめでとう。
 現在、新型コロナウィルスの猛威が日本、世界を揺るがしています。人の移動が制限される事態となり、また、国と国の間の人の往来を禁止する措置が拡大するなど、人や物が動いてこそ成り立っている我々航空ビジネスおいては、衝撃的な航空旅客の激減となってのしかかっています。既に、ANA便やLCC事業を担うピーチ便の国内線、国際線の大幅な休止減便を続けている中ではありますが、グループ4万5千人の社員が、お客様の安全を守り、日々のオペレーション、ビジネスに、まい進しています。本来であれば、羽田空港の格納庫に全員が集まり、晴れの入社式に臨んで頂きたかったのですが、新型コロナウィルス感染者を出さないための、やむを得ない措置として、本日、ビデオメッセージを送ることとしました。

◆「安全が全て」ANAグループ安全理念 安全は経営の基盤であり社会への責務である

 皆さん、本日、それぞれの企業に入社の第一歩を記すこの時に、深く胸に刻みこんで欲しいことがあります。それは、ANAグループにおいては、「安全が全て」、この一点です。「安全は経営の基盤であり、社会への責務である」。ANAグループの役員、社員が片時も忘れてはならない「安全理念」です。
 皆さんが生まれるずっと昔、62年前の、静岡県下田沖事故、続いて名古屋小牧空港事故、1年間に二度も発生した羽田沖事故と松山沖事故。49年前には、全日空機と航空自衛隊機が空中で衝突、墜落した岩手県雫石事故がありました。全ての事故でお客様と乗員の尊い命が犠牲となりました。そして皆さんがもう生まれていたでしょう、21年前の1999年、全日空札幌千歳行61便がハイジャックされ、1人の機長の尊い命が奪われました。
 毎年、入社式の社長あいさつの冒頭で、必ずこの航空機事故の話をします。今や、ANAグループにおいて、私を含めて、お客様が犠牲となる航空機事故を経験した役員、社員はほとんど残っていません。よく、人間は何事も経験を積むことが大事だと言われます。仕事でもスポーツでも経験が大事です。しかし、この航空機の事故だけは経験をしないで、事故の悲惨さや安全の重要性を、現在の社員や後輩となる社員に伝えていかなければなりません。何より事故の教訓に学ぶことが大切なのです。
 もう一つ伝えたい事は、安全は、パイロット、客室乗務員だけの問題ではないということです。航空機、エンジン、部品の安全を守る整備業務、搭乗するお客様や手荷物のチェックインなど旅客ハンドリング、グランドハンドリング業務、機内食を製造、空港売店、免税店の運営、貨物・物流事業で扱うさまざまな商品の安全輸送、お客様の大切な個人情報をお預かりすることも含まれます。
 安全の話は、これで終わりではありません。この約2年間、航空業界は、パイロットや客室乗務員の飲酒問題に端を発し、規定を順守せずに乗務員の交代、運航便の遅れを発生させ、お客様に多大な迷惑をお掛けし、社会に大きな衝撃を与えました。ANAグループにおいて、飲酒の法令違反が安全上の重大な問題であるという認識や法令順守の意識が、未だに会社の中で徹底されていないという問題認識を持ち、失われた信頼を回復すべく、新たに定められたアルコール基準をしっかりと認識し、厳格な乗務前後のアルコール検査を徹底し、二度と違反を起こさない、という決意の元、しっかりと取り組んでいかなければなりません。

◆取り巻く環境と今後

 さてこれから、ANAグループを取り巻く環境についてお話します。新型コロナウィルス感染の拡大により、人の移動が制限され、出張や観光需要が大きく減じており、我が国を含む世界中の国々が懸命に取り組んでいるにも関わらず、未だ終息の見通しが立っていません。本当に大変な時に社会人になった、と不安に感じ、心配になっている人が多いでしょう。
 しかし、心配はいりません。私たちは、皆さんの入社を心より歓迎します。そして、人類の知恵と努力により、この未曾有のコロナウィルス問題は、必ず克服できます。ANAグループは、2001年世界同時多発テロ、2003年のSARS、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2012年の日中関係が冷え込んだ尖閣列島危機、など多くの危機に見舞われましたが、全役職員が結集し、知恵を絞り乗り越えてきました。そして、今我々の目の前にある危機を乗り越える一員として、皆さんが仲間入りする訳です。
 ANAは英国スカイトラックス社から、世界最高クラスのサービスを提供する5スターエアラインに8年連続で認定されました。お客様の満足度を高めていくための様々な取り組みの「チームスピリット」の賜物であると言えます。
 今年は待ちに待った東京オリンピック・パラリンピックの年でした。ANAはオフィシャルパートナーとしてグループ全員で取り組んできました。オリンピック・パラリンピックが開催されないのは残念ですが、次の開催の日まで、みんなで盛り上げていきましょう。
 今年は、羽田空港の発着枠が増え、ANAは羽田からストックホルム、ミラノ、イスタンブール、モスクワ、そして中国の深センに翼を広げます。コロナウィルスの影響で路線開設時期を後ろ倒しせざるを得ませんが、いずれ必ず就航の時がやってきます。33年前に初めて進出した国際定期便は、いまや24か国50都市に及ぶことになります。LCCのピーチは、今後はより遠くまで飛ぶ能力を持つ小型機を導入し、アジアの中距離マーケットに進出していきます。
 これからの令和の時代、昭和・平成の時代には想像もつかなかった、未体験の世界が待っています。AI、ロボット、IoT、ドローン、顔認証技術、自動運転、こうしたデジタルトランスフォーメーションの技術を活かして、お客様の多様なニーズにお応えし、より良いサービスを提供すると同時に、労働力不足を補い、より働きやすい環境の構築を図るためにも、新しいテクノロジーを積極的に導入していく考えです。

◆事業を支えているのはお客様、夢は努力すれば必ず叶う

 最後に、忘れてはならないことは、私たちの事業を支えて頂いているのは、なんといっても、お客様だということです。コロナウィルスの広がりの中でも、お乗りいただいているお客様がいらっしゃいます。
 私たちANAグループの経営理念は、「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で、夢にあふれる未来に貢献します」というものです。皆さんが、ANAグループの社員として求められる行動指針「ANA’s Way」は、とてもシンプルな5つのキーワードです。
① 安全(safety)
② お客様視点(customer orientation)
③ 社会への責任(social responsibility)
④ チームスピリット(team spirit)
⑤ 努力と挑戦(endeavor)

 この5つを発揮出来るようになれば、皆さんも「あんしん、あったか、あかるく元気!」なANAグループの仲間です。そして、それは必ず叶う。皆さん、夢は努力すれば、必ず叶います。本日は入社、本当におめでとうございます。

以上

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