

第19-024号
2019年10月29日
2020年3月期 第2四半期決算および通期業績予想について
ANAホールディングス(株)は、10月29日(火)、2020年3月期 第2四半期決算を取りまとめました。詳細は「2020年3月期 第2四半期決算短信」をご参照ください。
1.2020年3月期 第2四半期の連結経営成績・連結財政状態
- (1)概況
- ・当期のわが国経済は、輸出を中心に弱さが長引いているものの、企業収益が底堅く推移し雇用環境の改善が続く等、景気は緩やかに回復しました。
- ・当社は世界の代表的な社会的責任投資の指標である「Dow Jones Sustainability World Index」の構成銘柄に3年連続で選定されました。
- ・世界経済の先行きの不透明感から国際線貨物を中心に減収となったものの、ゴールデンウィーク10連休の旅客需要を取り込んだこと等から、航空事業の売上高は前年同期を上回りました。また、航空関連、旅行、商社、その他のすべてのセグメントでも増収となり、売上高は過去最高となりました。
- ・一方で、安全・品質サービスの更なる向上や来年に控えた首都圏空港の発着枠拡大に備えて、人件費、機材費、整備費等が増加したことから、営業利益は前年同期を下回りました。
航空事業を中心に増収となったことから売上高は1兆559億円となりましたが、営業費用の増加により、営業利益は788億円、経常利益は815億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は567億円となりました。
- (2)航空事業
- ①国際線旅客(ANAブランド)
- ・国際線旅客では、ビジネス需要が弱含んでいるものの、ネットワークの拡大に伴い、ハワイ線、欧州線の旅客数が増加したこと等により、収入は前年同期を上回りました。
- ・7月から成田=ホノルル線において、エアバスA380型機「FLYING HONU」での運航を週3便から週10便に拡大しました。
- ・9月より日本からオーストラリア西部への唯一の直行便となる成田=パース線を新規開設しました。
- ・営業・サービス面では、8月から羽田=ロンドン線において、ファーストクラス、ビジネスクラスに約10年ぶりとなる新シートを導入しました。
- ・ビジネスクラスの新シート「THE Room」では、ANA初のドア付き個室型ワイドシートに加え、世界初となる4K対応のパーソナルモニターを導入する等、最上級のくつろぎ空間を実現しました。
- ・また、お客様の手続きや待ち時間の極小化を目的として、9月から成田空港に自動手荷物預け機サービスを導入する等、お客様の快適性と利便性の向上に努めました。
結果として、国際線旅客収入は、74億円の増収(前年同期比2.3%増)となりました。 - ②国内線旅客(ANAブランド)
- ・好調なビジネス需要と訪日旅客の国内移動に加え、ゴールデンウィーク10連休の旺盛な需要を取り込むとともに、各種割引運賃を需要に応じて設定したこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。
- ・5月から成田=中部線を増便した他、夏季の一部期間において福岡=宮古線の再開、関西=宮古線、羽田=那覇線の深夜便「ギャラクシーフライト」を増便する等、路線ネットワークの充実を図りました。
- ・搭乗の355日前から購入可能な割引運賃「SUPER VALUE EARLY」等により、ゴールデンウィーク期間や夏休み期間を含め、早期から需要の取り込みを図りました。
- ・9月に隈研吾氏監修のもと、那覇空港のANA LOUNGEをリニューアルした他、佐賀空港にて国内初となるリモコン式遠隔操作による航空機牽引を実用化する等、サービス品質の向上とイノベーションの推進に努めました。
結果として、国内線旅客収入は、163億円の増収(前年同期比4.7%増)となりました。 - ③貨物(ANAブランド)
- ・国際線貨物では、7月から成田=上海線に大型貨物機ボーイング777F型機を導入し、半導体製造装置等の大型特殊貨物の需要を取り込みましたが、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の減速を受け、日本発・海外発ともに需要が減退したこと等から、輸送重量・収入ともに前年同期を下回りました。
結果として国際線貨物収入は130億円の減収(前年同期比20.4%減)、国内線貨物収入は13億円の減収(前年同期比9.9%減)、となりました。 - ④LCC
- ・Peach・Aviation(株)とバニラ・エア(株)の統合に向けた機体改修や運航乗務員の訓練等により、一時的に運航便数が減少した結果、旅客数・収入ともに前年同期を下回りました。
- ・路線ネットワークでは、Peach・Aviation(株)が4月から新千歳=ソウル(仁川)線を新規開設しました。また、バニラ・エア(株)からPeach・Aviation(株)への路線移管を行い、Peach・Aviation(株)として順次運航を開始しています。
- ・営業面では、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の両社が、統合に向けて「CountDown100 THANKSフェスタ!」を実施し、合同セールや限定グッズプレゼント等の様々な取り組みを行い、販売促進に努めました。
結果として、当期のLCC収入は22億円の減収(前年同期比4.6%減)となりました。 - ⑤その他
- ・航空事業におけるその他の収入は1,088億円(前年同期1,014億円、前年同期比7.3%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
- (3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
- ・航空関連事業では、中部空港、関西空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、外国航空会社から機内食関連業務の受託が増加したこと等により、売上高は1,490億円(前年同期比2.6%増)となりました。一方、人件費が増加したこと等により、営業利益は74億円(前年同期比3.0%減)となりました。
- ・旅行事業では、国内旅行は、店頭販売を中心とする「ANAスカイホリデー」の取扱高が減少したものの、インターネット販売のダイナミックパッケージ商品「旅作」において、需要の早期取り込みが奏功したこと等から、売上高は前年同期を上回りました。海外旅行は、重点的に販売強化しているハワイ方面に加え、「ANAハローツアー」等の個人型商品や添乗員付き商品の集客が堅調に推移したこと等から、売上高は前年同期を上回りました。これらの結果、売上高は823億円(前年同期比3.3%増)となり、営業利益は13億円(前年同期比93.4%増)となりました。
- ・商社事業では、リテール部門の空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や、食品部門のナッツ類等で取扱高が減少したものの、航空機部品やANA公式ECサイト「ANAショッピング A-style」等の取扱高が増加したこと等により、売上高は759億円(前年同期比1.2%増)、営業利益は19億円(前年同期比8.0%増)となりました。
- ・その他では、不動産関連事業において、保有物件の売却等により、売上高は209億円(前年同期比8.0%増)、営業利益は15億円(前年同期比25.8%増)となりました。
- (4)連結財政状態
- (5)連結キャッシュ・フロー
2.2020年3月期の見通し
- ・上期の売上高は前年同期に比べて179億円増加しましたが、米中貿易摩擦等による貨物需要の減少や、国際線ビジネス需要の一部に伸び悩みが見られたこと等により、当初想定を下回りました。下期についても、この基調が継続すると見込まざるを得ないことに加え、LCC事業においても他社との競合が激化しております。
- ・これらの影響を勘案した結果、通期の売上高は当初予想と比べて600億円程度減少し、2兆900億円になる見通しとなりました。
- ・かかる状況の下、下期における収入増並びに着実な費用減に努めてまいりますが、通期の業績予想につきましては、売上高の減少に伴い、営業利益は当初予想から250億円減益の1,400億円、経常利益は1,370億円、親会社株主に帰属する当期純利益は940億円と減益を見込まざるを得ないものと判断いたしました。
- ・なお、算出にあたりましては、米ドル円為替レートを110円 、航空燃油費の一指標でありますドバイ原油の市場価格を1バレルあたり65米ドル、シンガポール・ケロシンを1バレルあたり80米ドルとしております。
以上
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