国際線就航40周年特別企画 ~進化の舞台裏を支えたキーパーソンに迫る~Vol.9

2026 / 08 / 21
その他

ANAグループは、おかげさまで2026年3月3日に国際線定期便就航40周年を迎えました。これを記念し、長きにわたり国際線の進化を牽引し、その歴史を支えてきた方にインタビューを実施。

第9回となる今回は、1980年にジェットエンジンの整備士としてANAでのキャリアをスタートさせ、後にマサチューセッツ工科大学でのMBA取得を経て、ネットワーク戦略部長や国際提携担当専務などを歴任された藤村さんにお話を伺いました。
まさに国際線の黎明期から経営の最前線で指揮を執り続けてきた藤村さんに、成田から世界をつないだ歩み、そしてこれまでANAグループが大切にしてきた「挑戦の心」について語っていただきました!

藤村 修一さん

― 国際線就航当時のANAは、どのような雰囲気でしたか?

1986年のグアム線就航時、私は留学中でしたが、社内は「国内ライバル社に追いつけ、追い越せ」という気概に満ちていました。整備士出身の私も「自分たちの翼で世界中にお客様を運ぶんだ」という強い執念を持ちながら働いていたことを覚えています。

― 国際線の赤字が続いていた「苦難の時代」を振り返っていかがですか?

就航以来約20年間、国際線は事業を広げれば広げるほど赤字が膨らむ深刻な状況でした。国内線の収益に支えられている現実に、社内からの風当たりも厳しかったです。しかし、「いつか必ず国際線で自立してやる!国内ライバル社を驚かせてやる!」という現場の強い意志が、私たちを支えていたと思います。

― 当時は国際線の継続について厳しい議論もあったかと思います。未曾有の危機の中で、どのような想いで事業を守り抜かれたのでしょうか?

2002年の成田空港第2滑走路オープン前に「9.11(米国同時多発テロ)」が発生し、国際線の需要は激減しました。社内でも国際線からの撤退論が噴出するなど、まさに絶体絶命の状況でした。実際、ANAとユナイテッド航空のハブ(拠点)を繋ぐ最重要路線であった「成田ーシカゴ線」が休止に追い込まれたことは、とてもショックでした。

しかし、「今この苦境に負けて発着枠を取りにいかなければ、将来的に大きな禍根を残す」という強い信念がありました。航空会社にとって、一度失った発着枠を取り戻すのは至難の業です。
だからこそ、足元の赤字に屈するのではなく、将来の可能性を信じて一つでも多くの枠を確保し、維持し続けることに奔走しました。

あの時、退かずに踏みとどまったことが、現在のANAの強固な国際線ネットワークの礎になっていると感じています。

スターアライアンス加盟当時の写真
Star Dayでスピーチをする藤村さん

― 1999年のスターアライアンス加盟は、どのような影響がありましたか?

視座が劇的に変わりました。ユナイテッド航空やルフトハンザドイツ航空といった世界トップクラスのキャリアと向き合うことで、目標が「国内ライバルへの対抗」から「世界基準でのネットワーク構築」へと引き上げられたんです。彼らのノウハウを吸収できたことが、黒字化への大きな転換点となりました。
彼らは単なる直行便の区間需要だけでなく、その手前からのあるいはその先への「乗り継ぎ需要」を徹底的に重視していました。これは、それまでのANAにはなかった発想で、成田をどう「ハブ(拠点)」として機能させるか、文字通り世界基準の戦い方を教わった時期でした。

― 現場の最前線で直面した、特に記憶に残っているエピソードは何ですか?

別件で成田空港を訪れた際、インフォメーションカウンターに、遅々として進まない長蛇の列ができていたことがありました。原因を調べると、システム設定のわずかな不備で、乗り継ぎ手続き(スルーチェックイン)が正常に機能していなかったのです。
恥ずかしながら、私は現場を訪れるまでその深刻な状況を把握できておらず、目の当たりにして初めて事の重大さに気づきました。すぐさま海外の航空会社と調整を行い、問題が解決して嘘のように列が消えた瞬間、「自分の目で現場を見る」ことの重要性を改めて痛感しましたね。

― これからのANAグループを支える社員たちへ、どのような想いを大切にしてほしいですか?

私たちが何度も危機を乗り越えてきたように、後輩たちも知恵を絞ってANAの翼をさらに大きく広げてくれると信じています。

大切なのは、明確に長期的な道筋を見据え、「どう変わるべきか」という具体的な方向性を持つことだと思います。また、常に広い視野で世界のトレンドにアンテナを張り、変化を恐れず挑戦し続けてほしいですね。

インタビューを担当した
ANA成田エアポートサービス
総務部 片岡里英さん(左)と藤村修一さん(右)

ANAグループはこれからも、お客様への深い感謝とともに、40年の歴史と信頼を礎に、安全・安心を第一に、国際線を通じて世界と日本を力強く結び続けます。

次回の国際線就航40周年記念インタビューも、どうぞお楽しみに!

▼国際線就航40周年特設サイト
https://www.ana.co.jp/group/40th-anniversary/
これまでのANAグループ国際線就航40年の歩み、アーカイブ写真や国際線に携わってきたANAグループ社員の想いをインタビュー記事として掲載しています。
ぜひご覧ください。