デジタル時代のサービスを考える
~グランドスタッフ 新たな挑戦~
<前編>
ANAは、2025年12月1日(月)に第18回空港カスタマーサービススキルコンテストの実技審査をコングレスクエア羽田で開催しました。
本コンテストには、ANAが就航する国内外の空港のうち68空港が参加。約8,000名のグランドスタッフの中から、予選を勝ち抜いた12名(国内空港9名・海外空港3名)が出場。多様化するお客様のニーズに的確にかつ高い接遇スキルを発揮して対応できるかを競い合いました。
<「接遇力」ではなく、真の「思考力」を>
2008年から続く伝統ある本コンテストは、「接遇力」を競う大会から、「スキル・知識・思考力」を重視したコンテストにすべく、審査基準が抜本的に見直されました。また、オンラインチェックインや自動手荷物預け機など「セルフサービス」が浸透しつつある中で、「デジタル時代における係員の在るべき姿」を問い直し、ファイナリストをはじめ、オンライン含めた参加者全員、ひいては各空港で働く全員が考えるきっかけとなるようなコンテストにしました。
<今年度のテーマは?>
「私たちはなぜここにいるのか
~デジタル時代のサービスを考える~」
(Why I am here
~Thinking of what we can do in the digital era~)
自動化が進む空港で、あえて「人がそこにいる意味」を問い直す、深く重みのあるテーマが設定されました。
<ここが変わった!>
① 初導入!OSC審査と実技後のインタビュー
今年度からの新たな試みとして、オペレーションサポートセンター空港サポート室旅客サービス部審査員(以下、OSC審査員)による「ファクトチェック」と、実技直後に約2分間のインタビューを導入。スキル・知識を測るため、回答の正誤をOSC審査員が採点しました。またインタビューで「なぜそのお声がけをしたのか?」「今後、旅客係員はどうあるべきか?」といった問いを投げかけることにより、実技では表現しきれなかったものを引き出すだけでなく、行動の裏にある「思考の足跡」や「想い」そのものも審査対象となりました。
② 審査基準の刷新!「カスタマージャーニーの俯瞰力」を探る
「お客さまのジャーニー全体を見ているか」という俯瞰的視座が評価軸に加えられました。例えば出発空港において、有人カウンターで特別対応をすれば懇切丁寧です。しかし復路はどうなるのでしょうか?お客様は復路でも同じ対応が必要になり、デジタルを使った自律的な搭乗につながりません。このように、自空港だけの一点に捉われない広い視野と時間軸を持てているか審査されました。
③ 初の審査シナリオ「複数同時対応」
従来の一対一の接遇ではなく、複数人に囲まれる「複数同時対応」が審査シナリオに取り入れられました。ヒートアップするお客さまや旅に不慣れなお客様など、理解度や緊急度に応じて、言葉や解決策を使い分けられるか、重圧の中でも敬意を失わず対応できているかを審査しました。






ANA 代表取締役社長 井上 慎一さんをはじめとする社内審査員6名を迎え、「社員投票の結果」と「当日の審査結果」を総合的に勘案して、グランプリ・準グランプリ・特別賞が決定されました。
栄えあるグランプリに輝いたのは・・・!

Baykut Buseさん
Winning the Grand Prix and being deemed worthy of this award is a great honor for me, and I am sincerely grateful to everyone who supported me throughout this journey, as well as to the jury for selecting me. As the contest concept changed this year, I focused on the unique strengths of Frankfurt Airport, particularly our strong connection with our passengers. While we actively use digitalization to manage irregular operations, we firmly believe that human contact remains essential, and being present for our passengers with heartfelt service lies at the core of why we exist. In my daily work, I always keep empathy and a strong sense of purpose in mind, and during the contest, I focused especially on communicating “Why are we here?” from the passenger’s perspective. Looking ahead, my goal is to embody this year’s theme by continuously applying our core belief, Anshin, Attaka, Akaruku-genki, and to become a staff member who delivers reassurance, warmth, positive energy, trust, and pride through every customer interaction.



ANA 釧路地区総代理店
三ッ輪エアサービス株式会社 業務部釧路空港営業所
加藤 涼さん
入社してから夢に見ていたスキルコンテストに出場できたこと、準グランプリを受賞できたことを大変嬉しく光栄に思っています。対話の中でお客様の反応を察しながら、応対できるように過去のコンテストを参考にイメージを膨らませてきました。特に今回のテーマで自分に置き換えた時にどう対応できるかを考え、職場のメンバーと何度もロールプレイを重ねてきました。モバイルだけではご搭乗に際して不安があるお客様、空港や飛行機を楽しみに来港された様々なお客様の心情に寄り添い、サポートすることは難しいと感じています。だからこそ、モバイルだけではできないあたたかみのある、人にしかできない接客ができるような係員でありたいと思います。
ANA 福岡空港
旅客サービス部
水谷 愛沙子さん
特別賞を受賞できたのは、福岡空港の仲間や家族の温かい応援のおかげです。入社前からの夢の舞台で、感謝の気持ちを胸に全力を尽くしました。今回のテーマ「私たちはなぜここにいるのか」は「私ができることは何か」を考えるきっかけとなり、自社サービスを改めて学び直して、お客様のニーズに合わせたプラスアルファの提案を追求してきました。本番では、端末を活用した分かりやすい案内と、お客様への共感を大切にしました。今後、空港のデジタル化がさらに進んでも、人にしかできない親身で温かい接遇の価値は変わりません。ANA's Wayと「福岡らしさ」を体現し、お客様に安心を届けられる信頼されるプロフェッショナルを目指して、これからもスキルを磨き続けます。

井上社長は、「今年のコンテストは、単なるスキルの競い合いではなく、デジタル時代における『皆様の変化』を期待する場でした。我々には、どんなに時代が変わっても守り抜くべき『ANAブランド』があります。しかし、その変わらぬ価値を守り抜くためにこそ、我々は変化を恐れず、変わり続けなければなりません。AIが浸透する今、人間にしかできない『思考』や『人間味』、そして皆様一人ひとりの『人間臭さ』こそが、他には真似できない最大の武器になります。デジタルを恐れるのではなく、それを使いこなし、プロフェッショナルとして自らを常にアップデートしていく。皆様の演技とインタビューを通じて、この「人間領域」で何をすべきか、そのヒントを得られたと感じています。今日、この場所から新時代へのムーブメントが生まれることを心から期待しています。」と、英語と日本語で総評しました。








<事務局の皆さん>

(左から)山田 健介さん、安住 悠さん、村石 智子さん、杜 恵婉さん、浜 亜佳音さん)


「出場者が通常通りの接客実演ができるよう心がけ、良いところを引き出せるような
質問や誘導をする練習をしました!」
後編では、本コンテスト実施の裏側や、事務局の皆さんの想いなどをご紹介します。
どうぞお楽しみに!
ANAグループでは、これからも便利さと温かさを両立させ、世界中のお客様に「安心」と「新しい価値」を提供できるよう、カスタマーサービススキルの発揮につとめていきます。