グループ横断!ストレッチャー教育の最前線

2025 / 12 / 12
サービス・商品

2024年4月1日に「改正障害者差別解消法」が施行され、事業者による障がいのある人への「合理的配慮の提供」が義務化されました。

ANAグループでは、以前より障がいのある方へのサービスに注力してきましたが、法律改正をきっかけに、より多くの障がいのある方へ安心して空の旅を楽しんでもらうための取り組みに力を入れています。
その重要な一環として、おからだの不自由な方が使用する「ストレッチャー」(簡易ベッド)に関する社内教育をグループ会社横断で推進しています。

【ストレッチャーとは?】
ストレッチャーは、怪我や病気、障がいなどにより座席に座ることが難しいお客様のために使用される簡易ベッドです。ANAグループでは現在、4種類のストレッチャーを合計16台保有しており、機体への取り付けは整備士が担当しています。

【3社で協力!ストレッチャー展示会まで】
ANAグループ会社の一つであるANAテレマート(以下ATM)は、お客様からのお問い合わせをメール、チャット、電話で受け付けています。ATMの社員は、お客様のご要望に応えるべく、日々多くの知識を習得していますが、近年、「おからだの不自由な方の相談デスク」を中心に、ストレッチャーに関するお問い合わせが2024年度に比べて国内線は127%、国際線は148%増加しています。
こうした背景から、ATMでは社員全員がストレッチャーに関する高い専門性を備え、具体的な案内によるお客様サービスの向上を図るために、実物を見る機会が少ないストレッチャー展示会の必要性を感じ始めました。

そこで、2022年10月より「ストレッチャーをもっと身近に」をテーマに活動しているANAベースメンテナンステクニクス(以下BTC)の協力を得て、ストレッチャー展示会を開催しました。実際にストレッチャーの取り付けを行う整備士から詳しい説明を受けることで、参加者は効果的に理解を深めることができます。
第1回目は2024年10月21日~28日にATM本社(大崎)で開催され、ストレッチャーの理解促進という点で成果が得られました。その後、ANA Cargo(以下ACX)の参画により遠方への輸送が実現し、第2回は2025年9月24日・25日に札幌支店にて、第3回は同年9月28日~30日に長崎支店にて開催されました。

左から、ANAテレマート札幌支店と長崎支店

【札幌・長崎での展示会の様子】
札幌支店および長崎支店で開催された展示会では、BTCの整備士が、モックアップを使用して機内でのストレッチャーの環境を再現しました。
参加者は、実際にストレッチャーに横になったり、介助席からの見え方などを体験します。また、BTCの整備士による15分間の説明会も行われ、ストレッチャーの仕組みや、どのような体制で運用されているかなどについても学びます。

札幌支店:説明会の様子
長崎支店:展示会の様子

~参加者コメント~
「普段は電話対応が中心ですが、今回ストレッチャーの実物を見て、触れるという貴重な体験は、非常に有意義でした。
これまでは病気や緊急を要する方のためだという認識でしたが、障がいのある方も旅行の手段として利用できることを知りました。この経験を活かし、質の高い具体的なご案内を通じて、お客様にANAでの旅をもっと積極的に提案できるよう努めていきます。」

【担当者からのメッセージ】

ATM 営業サポート室 ADDチーム
左から黒岩 愛さん、須藤 亨介さん

私たちのデスクには、病気や怪我など、様々なご事情を抱えていらっしゃるお客様から日々お電話をいただきます。特に、通常の座席での搭乗が難しいお客様には、ストレッチャーでの搭乗など特別なご案内をさせていただくこともあります。

「最適なご搭乗方法」を提案するため、お客様お一人おひとりのご事情を正確に確認する事を何よりも大切にしています。飛行機での移動という非日常の中、ストレッチャーをご利用になる不安を少しでもなくせるよう、常にお客様に寄り添った対応を心がけています。

お客様と直接お話している私たちが、連携する様々な部署との重要な橋渡し役です。お客様が無事にご到着された時には、心から安堵の気持ちでいっぱいになります。責任を持って対応し、お客様が安心してご搭乗いただけるよう、これからもきめ細やかなサポートを続けてまいります。

BTC 整備部門 客室整備部
左から三浦 リンさん、赤坂 隆太さん、鈴木 智也さん

私たち整備士は、普段お客様と直接お会いする機会は多くありません。ですが、ストレッチャーの設置を通じて、「お客様の大切な時間を支えている」という責任を感じています。

ストレッチャーをご利用されるお客様の中には、病気や怪我で体が不自由な方、そして「家族と一緒に旅行を楽しみたい」「故郷で最後の時間を過ごしたい」と願う方もいらっしゃいます。そんなお客様の想いに寄り添い、少しでも安心してご搭乗いただけるよう、一つひとつの作業に気を配っています。

設置の際には限られた時間の中で確実に行う必要があり、緊張感もあります。しかし、「多くの方の支えで飛行機に乗ることができた」「ありがとう」というお言葉をいただくと、自分たちの仕事が誰かの想いをつなぐ力になっているのだと感じます。

これからも、ストレッチャーという“移動を支える手段”を通して、お客様が安心して空の旅を楽しめるよう、一つひとつの作業に心を込めて取り組んでいきます。

ACX 国内貨物部門 国内貨物統括部 国内貨物統括課
東 剛志さん

今回は航空輸送を活用することで、輸送コストを抑えながら展示会に間に合わせることができ、お客様の体験価値向上に少しでも貢献できたことをとても嬉しく感じています。

普段は国内貨物の航空輸送に関する調整業務が中心ですが、こうした形でANAグループ全体の取り組みに関われたことは、自分たちにとっても大きなやりがいになりました。

これからも、貨物輸送の面からANAグループの取り組みを支え、より良いサービス提供に貢献していきたいと思います。

【ストレッチャーのご案内】
ストレッチャーのご利用には条件がございます。
詳細はこちらをご参照ください。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/flight_service_info/assist/medical-stretchers/