客室のシートカバーが生まれ変わる!
ANAアップサイクルプロジェクト第2弾
「ANA特製パッチワーククッション」

2025 / 10 / 31
サステナビリティ

ANAグループがサステナビリティへの取り組みとして行っている「ANAアップサイクルプロジェクト」の第2弾として、株式会社オンワードコーポレートデザインと「ANA特製パッチワーククッション」を開発しました。

廃棄物を減らすとともにANAを身近に感じてもらおうと、古くなった客室のシートカバーを再利用して2022年に第1弾の「ANA特製ルームシューズ」が誕生しました。これらの製作で残ったシートカバーの切れ端を、さらに有効活用。小さな切れ端から余すことなく正方形に切り出し、1枚1枚を丁寧に縫い合わせることで、新しい商品「ANA特製パッチワーククッション」に生まれ変わりました。

異なる素材や柄の切れ端を組み合わせるには、熟練の職人による丁寧な手作業が不可欠です。また、アップサイクル品でもデザインや品質に妥協はせず、異なる柄のシートカバーの色や風合いを活かし、多くの方に喜んでいただけるパッチワークデザインを追求しました。

ルームシューズとクッションを製作して残ったシートカバーの切れ端

パッチワークには、ボーイング767 / 787 国内線普通席、ボーイング737 国内線普通席、DHC-8-400 国内線普通席、エアバスA320 / A321 プレミアム・ビジネスクラス、ボーイング787 プレミアム・ビジネスクラスの5種類のシートカバーが使われているため、「どの飛行機のシートかな?」と想像してみるのも楽しいかもしれません。クッションの裏面には、廃棄となった客室のギャレーのカーテンが使用されています。結果として、廃棄されるシートカバーの約85%をアップサイクルすることができました。

クッションの裏面にはギャレーのカーテンを再利用
ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社と
株式会社オンワードコーポレートデザインのアップサイクルプロジェクトメンバー

担当者コメント

ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社
木村さん、矢羽田さん、浮田さん(左から)

矢羽田 :単なるアップサイクル商品ではなく、商品を手にした人を「記憶の循環」へと導いてくれる商品だと思っています。もちろん、形を変えた新しい商品を通して次の持ち主へと受け継いでいくのですが、この生地に触れることで、あの時、あの場所に飛行機に乗った記憶が蘇り、またいつか行きたいと思ったり、その記憶がもとに会話が生まれたり、モチベーションに繋がったり。それこそが価値のあるものだと思っています。
こうして新たな命を吹き込んだ商品をお届けし、航空機の歩んできた物語に思いを馳せ、さらに未来へ繋いでいく活動に一緒にご参加いただく機会を提供してまいります。

木村:機内のシートカバーは安全性や快適性の追求から、洗濯回数や傷みの度合いなどとても厳密に管理しており、廃棄対象されるとはいえ状態は良好で丈夫で上質です。
「もったいない」という気持ちから始まり、普段見慣れたシートカバーが見事に生まれ変わり、お客様の旅と安全を共にしたストーリーが刻まれております。
1つ1つ手作りのため量産はできませんが、機内で感じた旅のワクワク感やお客様の思い、飛行機の搭乗経験がない方でも旅のワクワク感を生活の中で味わっていただけると嬉しいですね。
今後もアップサイクルで環境に優しくお客様に喜んでいただけるような取り組みを行いたいと思います。

浮田:シートカバーは、汚れによるクリーニング回数が規定回数を超えたものから定期的に交換しています。月に数千枚廃棄されるシートカバーをなんとかできないかとの考えから、このプロジェクトが始まりました。普段使いできて、ご自宅でも飛行機の非日常感を感じていただける商品に蘇り、お客様の日常を彩っていただけますと嬉しいです。

ANAグループはこれからも、廃棄物の削減や資源の有効活用といった環境に配慮した持続可能な社会づくりに努め、お客様と共にSDGs活動に参加できるビジネスモデルを構築し続けます。

▼販売サイト ANA Mall 内 ANAワクワクショップ
https://anamall.ana.co.jp/shop/top/0009-0009/
販売元・販売サイト運営:ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社
2025年8月の初回販売では大好評につき即日完売。第二回目の販売は、2025年11月5日12:00を予定しています。

<ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社>
当社は、ANAグループの特例子会社です。障がいの有無に関わらず、ANAグループの一員として一人ひとりが戦力として活躍しています。航空事業に付帯する請負業務を中心に、弊社独自の事業を展開しています。その中の一つ、役目を終えた制服や航空機パーツに新たな命を吹き込むアップサイクル活動を推進しています。このほか、本物の航空機の端材を活用したキーホルダーや、客室を彩ったシート生地のユニークな柄や素材感を活かしたルームシューズ、そして今回のパッチワーククッションなど、空の旅を支えてきたアイテムたちから多様で独特の存在感を放つ製品を生み出しています。

<株式会社オンワードコーポレートデザイン>
当社、オンワードコーポレートデザインは、企業向けのユニフォーム事業を主軸に、これまで 2,000 社を超える多岐にわたるお客様の課題解決に取り組んでまいりました。その中で培ってきたのは、単にユニフォームを提供するだけでなく、お客様のブランドイメージや企業文化をデザインを通じて表現するノウハウです。
具体的には、アパレル企業として培ったデザイン力、企画力、そして安定した品質での製造・販売ノウハウを活かし、様々な業界のお客様と共に、企業のニーズに合わせたユニフォーム開発や空間プロデュース、ノベルティグッズの企画などを手掛けています。
事例紹介:https://onward-cd.co.jp/work/