本邦初!EV車と急速充電器を制限区域内で導入
~ANAと神戸市が連携し、神戸空港から脱炭素化を推進~

2025 / 10 / 23
サステナビリティ

2025年10月10日(金)、脱炭素社会の実現に向けた活動の一環として、ANAはGSE (航空機地上支援機材) のEV車両を導入いたしました。
神戸市が設置した急速充電器(制限区域内では本邦初)を活用し、空港管理者とエアラインが連携した取り組みとなります。

神戸市が設置した急速充電器(左)と、ANAが導入したEV車両(右)

■神戸市の取り組み:行政 (空港管理者の神戸市) が制限区域内にGSE用の急速充電器を設置し、共用化したことは本邦初。

型式 PosiCharge DVS330
メーカー Ampure Charging Systems, Inc.
特徴
  • 定格出力 33kW、最大電流 500A
  • あらゆる環境/気象条件での動作に対応
  • 2 台の車両の並列充電、1 台の車両の倍速充電が可能
  • 異なる車両を充電可能
台数 4台

■ANAの取り組み:充電設備の設置を踏まえ、神戸空港でEV車両を導入。

型式 電動トーイングトラクター
3TE25
電動ベルトローダー
NBL-E
メーカー TOYOTA L&F TLD
役割 お客様の手荷物や貨物を載せたコンテナ台車を連結し、牽引 お客様の手荷物を航空機の貨物室に搭載
導入台数 2台 1台
※年度内にさらに 1 台ずつ導入、2026 年以降も拡大

10月14日(火)には、メディアの方を対象にした取材会を開催しました。神戸市からは副市長の今西 正男様、ANAからは上席執行役員 オペレーションサポートセンター長 岡 功士さんが出席し、メディアの方へ今回の取り組みなどをご説明しました。

ANA上席執行役員の岡さん(左)、神戸市副市長 今西 正男様(右)

■岡さんコメント
空港管理者様が主体となり、空港の制限区域内にGSE車両用の急速充電器を設置・共用化いただいたことは本邦初の取り組みです。航空機のみならず、地上における脱炭素の取り組みを進めるANAにとって、力強い後押しとなりました。国際線の運航開始や大阪・関西万博の開催などを契機として大きく変わりゆく神戸空港から、今後も積極的に脱炭素化推進の取り組みを発信してまいります。

取材会では、EV車両への急速充電や、運航便ANA577便(神戸-千歳)でEV車両による貨物の搭降載デモンストレーションを実施しました。その後、関係者によるフォトセッション・横断幕によるお見送りなども実施しました。

EV車両への急速充電作業
ANA577便(神戸-千歳)でのEV車両による貨物搭降載作業
ANA神戸空港スタッフによるお見送り

今回、EV車両の充電・搭降載デモンストレーションを対応いただいた山木さんと、導入に向けて調整を担当された原野さんにお話しを伺いました。

<お話を伺った方>
ANA大阪空港 神戸事業部 山木 麻以 さん

ANAオペレーションサポートセンター
空港サポート室 グランドハンドリング企画部 原野 航 さん

山木さん

■山木さんコメント
Q.従来のガソリン車両と、今回のEV車両の違いを教えてください。

一番の違いは、やっぱり音が小さいことですね。エンジンをかけた時も、カチッという音しかしません。電動で排気ガスが出ないため、作業中に排気ガスがかかることもないのでとても嬉しいです。地球に優しい乗り物だなというのが、体感できています。乗り心地もすごくスムーズで、振動を感じません。

Q.EV車両が神戸空港で導入されたことへの感想を教えてください。
私が働く神戸空港で、行政と一体になってEV化での環境対策ができたことがすごく嬉しいです。今後、全国にも広まって欲しいなと願っています。

原野さん

■原野さんコメント
Q.神戸空港でのEV化の取り組みについて教えてください。

2022年頃、神戸市様からANAグループに「神戸空港の脱炭素化推進計画」策定に合わせて、GSE用の急速充電器を設置したいとご提案をいただきました。ANAグループで既に導入していた充電設備ノウハウを踏まえて、数年をかけて意見交換してまいりました。この度、本邦初の取り組みとして、行政の方が主体となり制限区域に急速充電器を設置してくださいました。

Q.今後の目標を教えてください。
まずは2025年度中に、神戸空港おいてEV車両を5台まで増やしていくというところは確定しています。それ以降の計画は検討段階ですが、神戸空港の取り組みをしっかりと全国に波及していきたいと考えています。今回をモデルケースにして、各空港様とも意見交換の場を重ねてEV化を推進するきっかけになれば嬉しいなと思っています。

Q.ステークホルダーの皆様にお伝えしたいことはありますか。
排気ガスを出さず、静粛性の高いEV車の導入を進めることで、脱炭素・低公害に貢献していきたいと思っています。今回の取り組みは、航空業界における大きな転換点になると感じています。ANAグループのEV化の取り組みに、ぜひご注目ください。

ANAグループは、2050年の環境目標達成(航空機以外のCO2排出量実質ゼロ)に向けて、引き続き環境対策に取り組んでいきます。

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