
座るとエコノミークラスの感覚が大きく変わる!?
国際線プレミアムエコノミー・エコノミークラスに
新シートを採用!
~ボーイング787-9型機に2026年度より順次導入~
ANAは次期国際線プレミアムエコノミー・エコノミークラスのシートに、RECARO Aircraft Seating社(以下:RECARO社)の最新モデルシートを採用します。
2025年4月8~10日、ドイツ・ハンブルクにてAircraft Interior Expo(以下:AIX)が開催され、9日にRECARO社のブースでANAの新シートをお披露目しました。
開発を担当されたANAのCX推進室商品企画部の皆さんと、RECARO社のゼネラルマネージャーに現地でお話をお聞きしました。

<ANA CX推進室商品企画部の皆さん>
島田さん、牧さん、太田さん、佐藤さん、上野さん
〈商品企画部の皆さんにお聞きしました〉
Q1:新シートの特徴について教えてください。
「長距離のフライトでも、お客様がより快適に、かつ身体への負担を少なく過ごせるよう、快適さと機能性を大きく進化させたシートです!」
【プレミアムエコノミー】
「シートピッチを従来より2インチ(約5cm)拡大し、40インチ(約101cm)となりました。また、リクライニング角度も従来のシートより2インチ(約5cm)拡大、9インチ(約23cm)となりました。最新の技術と人間工学に基づき設計された、最高クラスの座り心地と快適性を体験いただけます。」

【エコノミークラス】
「シートピッチは、エコノミークラスとして最大クラスの33~34インチ(約84~86cm)を維持したまま、膝元部分の設計改良を行い、従来比+1インチ(約2.5cm)スペースを拡大しました。リクライニング角度は、プレミアムエコノミー同様に従来のシートより2インチ(約5cm)拡大し、1.5倍の6インチ(約15cm)になり、快適性が向上しています。エコノミークラスとしては、世界トップクラスのピッチとリクライニング角度です。」

Q2:他にも既存シートとの違いはありますか?
「小物入れやUSB Type Cの充電設備、Bluetoothでのオーディオ接続など、細部にもこだわった仕様です。大型で高性能な最新式のタッチパネル式のモニターで、機内エンタメをお楽しみいただけます。」
Q3:今の気持ちを教えてください。
AIXという大きな展示会で新シートを無事に発表でき、とても嬉しく思っています。この様な貴重な機会を提供してくださったRECARO社には、大変感謝しています。
今回のシートは実際に座っていただくことで、その快適性を実感していただけます。更には長距離でも自分の時間と空間を大切にして快適にお過ごしいただけるよう、スペースやリクライニング量の拡大の他、座席周りの設備を充実させました。
導入後は、ぜひ実際に座っていただき、多くのお客様にその快適さを味わっていただきたいです!
Q4:シート選定・開発のこれまでの道のりを教えてください。
(開発担当・牧さん)
ビジネスクラスシートなどと比べて、プレミアムエコノミーやエコノミークラスシートは差別化について特徴や優位性が出しにくく、選定・開発していく中では難しい面が多々あります。
今回の選定においては、各社のシートに試座して「本当に良いシート」を探し続けました。まだ他社での採用実績もほとんどない段階でしたが、今までの自分達の経験などを頼りに、RECARO社の最新シートモデルに一部修正依頼なども入れながら、最終的にお客様に自信をもってお届けできるシートになったと思います。
Q5:RECARO社のシートの採用は今回が初めてですか?
「RECARO社のシートは、35年前の1990年に初めて採用をしています。航空機用シートメーカーとして業界トップクラスの快適性を実現していて、当社のメインサプライヤーの1社です。」

〈RECARO社の方にお聞きしました〉
Q:新シートについてどのように考えていますか?
「このシートを発表できたことを非常に誇りに思っています。プレミアムエコノミー・エコノミークラスの両シートは、ANAの持つ創造性とお客様体験価値への繊細なこだわりを実現するとともに、我々のエンジニアリングチームの技術力の高さを象徴していると思います。ANAをご利用になられるお客様には、新しい感動的な旅を提供できると思います。」
Q:技術面でのアピールポイントはありますか?
「エコノミークラスのシートは、33~34インチ(約84~86cm)のシートピッチに加えて、膝元のスペースが広くなったため、座ってみるとかなり広く感じられるようになりました。イベントに来ていた大柄な男性ジャーナリストも『実際に座席に座ってみたところ、36インチ(約91cm)以上に感じられた』と言っていました。また、背もたれの部分は身体にフィットするため、お客様はシートに後ろから抱きしめられるように感じると思います。」
Q:新シートの開発における挑戦や革新的なことはなんですか?
「RECARO社では、研究と技術開発に非常に力を入れています。製品開発の初期段階から試作品を製作し、お客様にインタビューやアンケートを通じて直接情報を収集し、検証を重ねています。ドイツ本社では独自の実験室や模擬的な客室環境を備えていて、被験者グループと数多くの厳格な試験を行います。これは私たちの開発プロセスにおいて、最も革新的な側面と言えるでしょう。」
Q:お客様には新シートでどんな体験をしていただきたいですか?
「私たちは、人間工学に基づいて設計された高品質のシートで、お客様が快適さを感じられることを願っています。さらに、ゆったりとした居住空間、心地良いリクライニング機能、そして6-wayヘッドレストなどを備え、最高の座り心地と素晴らしい旅の体験を提供したいと考えております。」
Q:環境への配慮の点では、どのような取り組みがなされていますか?
「軽量設計に取り組み、CO2排出量と燃費消費量の削減に貢献しています。今回の新シートでも、軽量化を実現するために革新的な軽量素材を使用しています。例えば、プレミアムエコノミーのシートでは炭素繊維やガラス繊維強化プラスチックを使用しています。また、当社のシートは、部品の迅速、簡単、かつ費用対効果の高い交換ができるように設計されています。これにより、時間管理、重量、その他において無駄を省くことができ、持続可能性につながっています。」
Q:ANAとRECARO社はどのような関係性でしょうか?
「単なる航空会社とシートサプライヤーという、ビジネスの関係以上のものであると考えています。これまで両社は『インスピレーション』に基づき、常にお客様に最高の旅の体験と快適性をお届けするという共通の目標を持ち、考え方を共有しながら協力してきました。ANAの『Inspiration of Japan』の通りです。今回のイベントでも、35年という長い期間の両社の友情とパートナーシップを目の当たりにしました。」

ぜひ、新シートの導入を楽しみにお待ちください。
プレスリリースはこちら
URL:https://www.anahd.co.jp/group/pr/202504/20250409.html