第10回レシピコンテスト開催!
~和食・製菓部門の匠の技を披露~
2024年10月16日、ANAケータリングサービス(ANAC)川崎工場にて、レシピコンテストが開催されました。調理技術継承やモチベーション向上、人材育成などを目的に2014年の開始から10年目を迎えた今回は、自由な発想と魅力あふれる機内食開発をテーマに、6名のファイナリストが最終選考会に参加し、ファーストクラスの「和食部門(主菜)」「製菓部門(温かいデザート)」を題材にプレゼンテーションを行いました。創作意欲・料理への感性・調理技術・技法をアピールしたメニューは実に個性豊かで、国内外ホテルやレストラン、料亭などで腕を磨いた多彩なキャリアを持つ社員の知見が詰まったレシピばかりです。各部門で審査員の評価を集計し、最優秀賞を獲得したメニューは、機内やラウンジでの提供が検討されます。
〇「和食部門」ファーストクラスの主菜 ファイナリスト
川崎工場 和食調理部 難波 純也さん
鴨の塩麹コンフィ、
干し柿とブルーベリーのジュレ
栗と茸添え
和食部門、トップバッターは難波さん。フレンチの技法であるコンフィ、フルーツを使ったソースを和食に取り入れ、新しい世界・面白さの追求に力を注いだレシピ。
「野と山の食材を一つの皿で口に運び、食べ合わせの相性を楽しんでいただく一品です。」
川崎工場 和食調理部 多賀谷 慎二さん
和牛もも低温ローストとカマス幽庵焼き
バルサミコ醤油掛け
低温ローストでしっとりと柔らかい和牛もも肉と、脂ののったカマスをメインに、別々の食材をバルサミコ醤油で一つに融合した一皿に。松の実が食感のアクセントです。
料飲事業室羽田ラウンジ1課 末崎 芳郎さん
カマス巻纎蛤餡かけ
季節は春。少量多品種、
様々な触感と香りを一つのお皿で楽しめるような作品をテーマにレシピを描きました。
蓮根の歯ごたえが気持ち良い、との審査員のコメントに末崎さんも思わず笑顔に。
成田工場 和食調理部 中谷 健二さん
金目鯛塩麹蒸しと帆立真丈挟み揚げ
才巻海老チーズ包み焼き添え
初夏に食したい海の幸とさっぱりとした味わい、鮮やかな色合いにこだわりました。
機内食ならではの、ヒーティングをすると硬くなる素材・柔らかくなる素材の研究を通し、一つひとつの食材に工夫を凝らした一皿。色鮮やかな海苔ソースが心地良く香ります。
成田工場 和食調理部 小山 聡司さん
肉じゃが饅頭と牛タンタマリ漬け
日本人には特に馴染みのある家庭料理、「肉じゃが」。主役のじゃがいもの中に、肉じゃがの具材を入れて饅頭に仕立てました。その斬新ながらも温かさの残るレシピにANAC西嶋社長からも「肉じゃがのお饅頭面白い!」と好評でした。
成田工場 和食調理部 和田 巧さん
冬 隣
メインはキンキの酒盗焼き。材料の豊富さもさることながら、一皿で目にも楽しい、海外での経験と和食の知見が融合した一皿。あしらいの「ANA」チュールには、ANAのコーポレートカラー“トリトンブルー”を引き出すため、農薬不使用のバタフライピー(日本名:蝶豆)を使用。空の安全、食の安全、さらにはワクワクも、という和田シェフの想いが込められています。
次に、機内食の中でもメニュー開発が一段と難しいといわれている、温かいデザート。様々なキャリアを持つ6名のペストリーシェフの腕が光るレシピをご紹介します。
〇製菓部門 ファーストクラスの温かいデザート ファイナリスト
ペストリー部ペストリー課 望月 愛美さん
濃厚なミルククリーム溢れるフィナンシェ
気軽なのにどこかホッとする焼き菓子の代表、フィナンシェ。レシピを考案した望月さんもフィナンシェが大好き。ナイフで切るとミルククリームがあふれ出すこのフィナンシェは、望月さんによるベストな提供温度への研究が幾度となくなされました。
和食部門のプレゼンテーションの雰囲気とは一変、審査員の頬もほころぶ温かい時間が流れました。
ペストリー部ペストリー課 正木 陽子さん
ドームショコラ
温かいソースをかけるとドームが崩れていく正木さんのドームショコラは、ただ食べるのではなく、お客様がワクワクしながら味わえるようにという想い、またチョコレートが溶け出した先で、しっとり・かりかりなど触感の違う材料を使用し、口にして楽しんでもらうアイデアが盛り込まれた一皿。ドーム型のショコラには、機内でもお客様に好評をいただいているANACオリジナルショコラを調合して丁寧にくり抜かれています。
ペストリー部ペストリー課 渡部 勇輝さん
さつまいものガトー
~甘酸っぱいリンゴのソースを添えて~
さつま芋のパウンド、リンゴのコンポート、メープルのバタークリームなど、口の中で秋が繰り広げられるデザート。りんごのコンポートは、同じくリンゴを原料とするブランデー、カルヴァドスで風味付け。くるみで食感にアクセントをつけたファーストクラスらしい大人の一皿。
ペストリー部ペストリー課 近藤 祐未さん
ガトーノワゼット
~カシスバルサミックソース添え~
花びらのようなチョコレートが温かいソースに触れて柔らかく崩れていく様子に、審査員席からも歓声が湧きました。「お菓子は見た目も楽しむものでもある」というレシピ考案の原点を語り、ANACのお食事をたくさん召し上がった後には美味しいデザートを楽しんでほしいと、前工程のバトンをつなぐ想いをプレゼンテーションしました。
川崎工場洋食調理部 木内 雅之さん
イチジクの2色コンポートとパンペルデュ
スパイスのアクセント
仏語でパンペルデュはフレンチトーストを指し、赤ワインと白ワインでコンポートしたイチジクの丁寧なレイヤーが宝石のよう。カカオニブとスパイスのアクセントでお酒を楽しまれるお客様にも喜ばれそうな大人のデザートです。
ペストリー部ペストリー課 加瀬 悠さん
モワルーショコラとチェリーのデザート
チェリーの鮮やかなカラーが映える見た目に、審査員もお皿をあらゆる角度から眺めながら、加瀬さんのプレゼンテーションに想いを馳せていました。カカオの様々な表情を楽しめるデザートです。
プレゼンテーションの様子
空の旅の楽しみのひとつである機内食に魅力を付加し続けるANACの機内食への想い、自分らしさで自由につくる楽しみが伝わるプレゼンテーションの数々。第10回レシピコンテスト(和食・製菓)では、和食部門で末崎 芳郎さん・製菓部門で近藤 祐未さんが最優秀賞に選ばれました。
製菓部門 ペストリー部 近藤 祐未さん
和食部門 料飲事業室羽田ラウンジ 末崎 芳郎さん
〈製菓部門 ペストリー部 近藤 祐未さん〉
2024年5月にANACへ入社する前は、専門学校の講師として製菓の腕を磨いてきた近藤さん。今までやってこなかったことに挑戦したいという想いを語ってくださいました。
「機内食は手づくりの部分がとても多く、飛行機に載せる上では品質への制約も特殊で苦労もたくさんありますが、ANAの機内でしか味わえないデザートを多くのお客様に楽しんでいただけると嬉しいです。」
〈和食部門 料飲事業室羽田ラウンジ部 末崎 芳郎さん〉
陶芸の修行を通して、和食懐石の道に進んだ末崎さん。ANACに入社する前の10年間はあらゆる食材と味噌の研究に没頭し、独自に開発に励んでこられました。
「安全や品質を維持するための色々な制約がありますが、その中でもどう感動してもらえるか、ANAの機内食として記憶に残してもらえるかを考えて日々仕事をしています。」
〈総料理長 清水 誠シェフ〉
ANAグループは食の部門でもお客様に安全、あんしん、感動を届けるとともに、新たな事業領域にも挑戦し続けます。魅力溢れる機内食メニューの開発、次世代を担う人財育成にも取り組んでまいります。
また、洋食・製パン部門のコンテストは2024年12月18日、成田工場で開催予定です。
ANAグループでは、今後もお客様にワクワクをお届けする機内食開発に取り組んでいきます。
〇ANAケータリングサービス
羽田空港と成田空港を拠点にANAをはじめ世界のエアラインのケータリング業務を担い、英国SKYTRAX社による国際線ビジネスクラスの機内食を評価する「Best Business Class Onboard Catering」など、これまでも数多くの賞を受賞。機内食製造だけでなく、ANAの訓練施設にある従業員食堂運営や羽田空港・成田空港のANAラウンジでのミールサービスも担当しています。近年は外販事業も展開し、機内食製造のノウハウを活かした自社製品の開発を行っています。
【ANAケータリングサービス 採用サイト】
https://www.anac.co.jp/recruit/index.html
【ANAケータリングサービス オリジナル商品 ECサイト】
https://www.anac.co.jp/original/