
障がい者の持つアートの可能性!
プロとの共創展示会
障がいがある人とプロのデザイナーが共同で作ったアート作品を紹介する展示会が12月、ANAエアポートサービスの協力のもと羽田空港で開かれ、のべおよそ3万6000人が訪れました。
この展示会は自閉症や知的障がいなど障がいがある人が持つ個性や表現する力を発揮する環境を整え、それをビジネスに変えていこうという取り組みの一環として12月1日から20日まで開かれたものです。

会場となった羽田空港第2ターミナル5階にはアート作品やパネルなどおよそ20点が展示されました。
取り組みでは障がいのあるデザイナーを「チャレンジドデザイナー」としていて、会場には「チャレンジドデザイナー」とプロのデザイナーが共同で作ったアート作品などが並べられました。
このうち加藤順正さんの作品は、青や赤といった鮮やかな色の絵の具を使って直線や曲線をキャンバスをはみ出す勢いで描いたもので、感情がほとばしるその作風を活かした形でプロデザイナーの久世迅さんがデザインし直し、エコバックやTシャツに仕立てています。


またパネルには作品が将来ANAなど企業のデザインに採用されたと想定した未来予想図が掲示され、自由な発想で描かれた色とりどりの絵が旅客機の外装やラウンジのソファの柄となって彩り、多様性を感じさせるデザインになっていました。


見学した人たちからは「チャレンジドデザイナー」が描いた原画を購入したいという声も多く寄せられました。
取り組みに協力しているANAエアポートサービスが、展示会を通じて多様性について考えようと社員向けの研修を行ったところ、若い社員を中心に多くの反響があり「私も家族に障がい者がいるので展示会を見てとても共感しました」や「多様性の大事さを学びました」などといった声が寄せられました。
ANAエアポートサービス 小山田亜希子 社長
「活動に共感してご協力させて頂きましたが、我々としても非常に学ぶことの多い展示会でした。日常の業務で障がいのあるお客様と接する機会も多く、画一的ではなく多様性を大事にそのお客様にあった対応をすることがとても大切だということを改めて感じることができました。今後はこうした共感の輪が社会全体にも広がっていければ良いと思います」
