世界にはばたけ神戸ビーフANAあきんどの挑戦

2022 / 03 / 01
地域との取り組み

ANAグループのANAあきんど株式会社は、日本各地の生産者を支援するとともに、海外における日本の魅力的な食材の認知度向上に努めています。

ANAグループは日本の航空会社として日本の食文化や食材について情報発信することに誇りを持っています。神戸ビーフは、日本の中でも有名な食材のひとつであるとともに、世界でも食通を虜にしている魅力的な食材として知られています。

海外の一部のレストランでは神戸ビーフが提供されていますが、本物の神戸ビーフとして認定を得るには厳しい基準をクリアしなけばなりません。

今回のANA Group Storiesでは、欧米のお客様に神戸ビーフの歴史や文化、おいしさを伝えるANAグループの取り組みをご紹介します。ANAグループがなぜこのような取り組みを行うのか、ANAあきんど大阪支店の中浦 聡美(なかうら さとみ)さん、道地 幸香(どうち さちか)さん、ANAあきんど地域創生部大橋 昇吾(おおはし しょうご) さんにお話を聞きました。

Q: 日本の地産品の普及が、ANAグループの事業強化につながると考えるのはなぜでしょうか。

ANAあきんど地域創生部大橋 昇吾(おおはし しょうご)さん

大橋: 日本の食品を消費拡大させていくためには、海外に進出する必要があります。神戸ビーフは一定条件下の特定の地域でしか生産が出来ないため、容易に海外で生産することができません。そのため、神戸ビーフが海外に市場を広げるには、海外での認知度を高め、輸出を増やす戦略が必要です。当然、輸出するためには、生産者は飛行機や船で海外市場に商品を運ぶことになります。そこで私たちの出番となるわけです。

中浦: ANAあきんどは、地域経済の活性化が大きなミッションです。日本で食肉産業に携わる人たちは、自分たちの仕事に誇りを持つ職人集団です。神戸ビーフの生産者は高齢化や人口減少による国内消費縮小という課題に直面しており、海外消費の拡大に力を注いでいます。一方で、「Wagyu(和牛)」に代表されるように神戸ビーフ以外のブランド牛が本物の神戸ビーフのように海外で販売・消費されることは、業界に大きなダメージを与える可能性があります。ANAグループはグローバルな国際貨物・旅客ネットワークを持つ航空会社として、日本国内の地域、生産者を支援し、本物の神戸ビーフの魅力やおいしさを普及することに貢献できると考えています。地域経済を守りつつ、海外での新たな販売機会の開拓を支援することができるのです。

Q: なぜ神戸ビーフなのですか?ANAあきんどが高級和牛の普及に取り組んだ経緯と理由を教えてください。

道地: 和牛マスター輸出拡大コンソーシアムが、神戸ビーフの普及のためのパートナーを募集していることを知りました。私たちの最終的な目標は、神戸ビーフの輸出拡大を支援することですが、その第一歩として、本物の神戸ビーフの認知度を高めるお手伝いをしたいと思いました。

Q: 神戸牛が「神戸ビーフ」である理由は何でしょうか?

但馬黒毛和牛(兵庫県)

道地: 正式なブランドを受けるには厳しい資格基準があるのですが、それは海外ではあまり知られていません。ANAのオンラインプラットフォーム「Japan Travel Planner」では、神戸ビーフの定義について解説しています。まず、神戸ビーフは兵庫県で1200年の歴史を持つ純血種の但馬黒牛からしか生まれません。次に、生後28カ月から60カ月までの未経産牛、または去勢牛で兵庫県内の指定食肉センターで処理されたものでなければなりません。さらに、歩留等級がAまたはB、肉質等級が4(5段階中)以上、BMS(牛の霜降り度合い)が6(12段階中)以上であることが条件とされています。 赤身と霜降りのバランスが絶妙な神戸ビーフは、「口の中でとろける 」と表現されることが多く、うま味成分が豊富で、脂身まで風味豊かでおいしいと言われています。

Q: 現在行われているプロモーションについてお聞かせください。

神戸ビーフを使用したビジネスクラス機内食

道地: 昨年12月に第1弾として、神戸ビーフを使ったビジネスクラスの機内食を提供しました。お客様からは「今までで一番おいしいメインディッシュだった!」「おいしい神戸牛と濃厚な卵ソースの組み合わせが最高だった!」と高い評価や「大満足」といったお声をいただきました。また、牛肉の柔らかさに驚かれた方もいらっしゃいました。メニューと一緒に、神戸ビーフの特徴を説明した特製パンフレットをお渡ししました。

第2弾では、「Japan Travel Planner」の神戸ビーフ特集ページの制作と、ニューヨーク在住のYouTubeインフルエンサーとのコラボレーションです。インフルエンサーのTJリーさんに、ニューヨークで神戸牛を提供している3店舗のうち1店舗で食事をしていただき、その様子を動画にまとめていただきました。指定登録店に設置されるブロンズ像の紹介や、神戸ビーフのおいしさを見事に表現してくれました。

Q: プロモーションの手ごたえはいかがでしょうか?

道地: 多くの方に神戸ビーフに興味を持っていただけたと思います。ご存知のように、今はコロナの影響による渡航規制で、海外からの観光客が日本に来るのは難しい状況です。規制が解除される日を待ちながら、日本に興味を持ち行ってみたいと思ってもらえるようにしたいですね。Japan Travel Plannerでは、神戸の観光スポットもご紹介しています。

Q: パンデミックは、プロジェクトにどのような影響を与えたのでしょうか?

道地: 神戸ビーフのプロモーションを準備する上で、最も気を遣ったのは世論の動向です。昨年末、オミクロン株のニュースを耳にするようになりました。「このタイミングでプロモーション動画を配信してよいのか?」、「旅行を推奨していない状況でPRしていいのか?」といった心配もありました。プロモーションを中止するか、思い切ってトーンを変えるかなど考えましたが、クライアントの方々や社内、パートナー会社と何度も協議し感染対策を十分に実施しながら進めることにしました。

大橋: オフラインでのプロモーションは企画できませんでしたが、動画やWEB広告・WEBサイトを通して、神戸ビーフへの興味や好奇心を高めてもらうことができました。

Q: 今後、他に検討している食品はありますか?

大橋: 海外の消費者をターゲットにした同様のプロモーションで提携できる事業者の候補は多くあると考えています。例えば、北海道の夕張メロン、山形のさくらんぼ、ラ・フランス、米沢牛などが候補に挙がっています。そのまま召し上がるのはもちろん美味しいですし、ジュースやジャムなどいろいろな製品にも加工しても美味しいと思います。きっと海外でも喜ばれるのではないでしょうか。

神戸ビーフの指定登録ブロンズ像と道地 幸香(どうち さちか)さん

道地: 私は現在、兵庫県東部に位置する丹波篠山市を担当していますが、この市は黒豆、栗、松茸など、秋の収穫物がとても豊富なところです。10月から11月にかけては、枝豆の収穫で多くの人が訪れますし、歴史的な城跡があることから、海外からの観光客も増える可能性があると思います。

Q: ANAあきんどが地域経済の活性化に関わることが重要なのはなぜですか?

道地: 地域からいろいろなアイデアや悩みを聞くことができます。地域のニーズとANAのリソースを組み合わせ、良い結果を生み出すための取り組みに参加できることは、私にとって刺激的です。将来的には、海外拠点を訪問し、日本の商品が現地でどれだけ受け入れられるか、現地の声を聞いてみたいと思っています。

大橋: ANAグループは、10年以上も前から地域経済の活性化に取り組んでいますが、それは観光や航空事業とつながっています。需要が生まれれば、交流人口が増えますし、より多くの方にANAを利用していただくことで、サービスやネットワークを充実させることができるのです。コロナ禍で生活者のライフスタイルや消費マインドが変化していますが、素早くニーズをキャッチして、今後も地域活性化をサポートしていきます。

中浦: 自然、文化、歴史、食など、日本各地には地域ならではの魅力がたくさんありますが、海外のお客様に向けて発信する手段やリソースが不足しています。そこにANAグループとANAあきんどが貢献できると考えています。日本各地を訪れる人が増えることで、地域が活性化し地域に住む方々が元気になります。そのお手伝いができることが私たちの仕事の楽しさであり、やりがいです。