「ANAそらぱす教室」って知っていますか?

2021 / 11 / 11

みなさん、「ANAそらぱす教室」をご存じでしょうか?

“そらぱす”とは、“そらのたびへのぱすぽーと”のことです。
「ANAそらぱす教室」は、特別支援学校に通う生徒の皆様を対象としたANA独自の搭乗支援プログラムです。今回のANA Group Storiesでは10月2日に中部国際空港で開催された「ANAそらぱす教室(搭乗支援教室)」を取材。ANAそらぱす教室の生みの親、CX推進室 CX戦略部の小島永士さんに話を聞きました。

「ANAそらぱす教室」は、特別支援学校の先生から、実際に生徒の皆様が航空機をご利用になる際に不安に感じるシーンについてお話を聞き、障がいの特性に応じてプログラム化しています。

生徒の皆様の中には、修学旅行で初めて飛行機を利用する方も多く、飛行機に搭乗するにあたって、どのような手順で乗るのか、何を準備しないといけないのか、車いすはどうすればいいのか、サポートは受けられるのかなどさまざまな点で不安を感じている方もいます。

「ANAそらぱす教室」では、そのような生徒の皆様の不安を解消し、安心して飛行機にご搭乗いただくために、ANAグループ社員が学校を訪問し、搭乗手続きから保安検査、機内への搭乗・着席・機内での過ごし方・降機の一連の流れを体感できる出張型の特別授業として開催しています。

過去のそらぱす教室の様子

今回の中部国際空港でのイベントではその一部をステージ上で再現しました。東海市立富木島中学校の加藤さん、東海市立加木屋小学校の佐々木さん、東海町立卯の里小学校の堀内さん、そして大村秀章愛知県知事の4名に体験していただきました。

まずは、搭乗前の保安検査です。お子様の中には、普段見慣れない制服姿の検査員に恐怖や不安を感じる方も少なくありません。そんな気持ちが少しでも和らぐように「保安検査は怖くないんだ」と安心してもらえるように工夫をしています。体験者の加藤さんに感想を伺ったところ、「丁寧で親切な言葉遣いが印象的でした」と話してくれました。

搭乗前の保安検査を体験

次は手荷物検査に進みます。「自分の荷物を機械に通すのがイヤ」「預けたら戻ってこないんじゃないか」、そんな不安を抱える方に、飛行機には持ち込めるものと持ち込めないものがあるということ、飛行機に乗る全員の荷物を確認すること、機械で確認したらすぐに返してもらえること等をお伝えします。初めは少し不安そうにしていた体験者の佐々木さんも、検査員から荷物を受け取り、「安心できた」とほっとした様子。

手荷物検査も体験

いよいよ、金属探知機に反応しない樹脂製(非金属)車いす「モルフ」が登場!これまで車いすをご利用のお客様は、車体に使用されている金属パーツが金属探知機に反応してしまい、保安検査に時間がかかっていました。お客様から「毎回の接触検査が不快だ、車椅子で金属反応があり保安検査に時間がかかる」といったお声が寄せられたことを受け、開発されたのがこの樹脂製車いす「モルフ」です。本当に金属探知機に反応しないのかな?とドキドキしつつも、難なくクリア。大村愛知県知事は、モルフに乗ったまま大車輪を外すデモンストレーションも体験。空港到着から機内の自席までストレスなくアクセスできる仕掛けに「これは優れもの!」との太鼓判をいただきました。

機内用車いす(左)、樹脂製車いす「モルフ」(右)

小回りのきく小さな車輪で狭い通路もスムーズに移動できる機内用車いすを試乗した堀内さんの「乗り心地がよかった」の感想にも一安心でした。
ご協力してくださった4名の皆様、ありがとうございました。最後に記念写真をパチリ!

参加の記念にお渡しした「修了証」は、パスポートケースになっており、いつか皆様にも「世界に羽ばたいていってほしい」という願いを込めています。モルフ同様、金属を使わない仕様で、保安検査も難なく通過できます。
ぜひ、これからの空の旅にご活用ください。
キャッチフレーズは、「すべてのひとに優しい空を」。
皆様にとって、空の旅がもっと身近で、安心、快適なものでありますように。

なぜこの取り組みを始めようと思ったのですか?

ANAでは、2021年オリンピック・パラリンピックをきっかけに、「ハード」と「ハート」の両輪で「すべてのひとに優しい空」を創りたいと、「世界トップレベルのユニバーサルサービスの実現」を経営戦略の「柱」のひとつに掲げて、全社で推進してきました。

ご利用いただくお客様の多様性や、おからだの状況を踏まえて、お客様一人ひとりにとってのベストなお手伝いは何かを意識し、すべてのお客様が快適で安心できる「空の旅」の実現を目指しています。
今、日本では人口の7%※近くの人が何らかの障がいを有しているといわれていますので、障がいのある方はとても身近な存在です。(※出典:内閣府2016年度 障害者白書)
しかしながら、ANA便をご利用いただいた障がいのあるお客様は、お客様全体の1%未満であって、障がいのある方にとって、「空の旅」はまだまだ遠い存在なのかもしれません。

「そらぱす教室」は、もともと特別支援学校の先生から「お手伝いしていただけませんか?」とのご要望でスタートしました。当初は首都圏のみでの活動でしたが、地方からの希望も多く、今では関西・福岡地域でも開催しています。実際に授業に参加したお子様たちはもちろんのこと、先生方やさらには保護者の方々にも大変ご好評をいただいています。

CX推進室 CX戦略部の小島永士さん

参加者の反応や感想はどうですか?

障がいを理由に「空の旅」を諦めてしまっていたご家族の「こんな車椅子があるの!?」「こんな対応があるなんて知らなかった!」などの声を聞き、「そらぱす教室」がANAのユニバーサルサービスを知ってもらえる“きっかけ”の1つになっているんだと感じたとき、とても嬉しかったです。

ANAはこれからも、障がいのある方はもちろん、そのご家族や周りにいる方たち、ご高齢の方々、年に数回しか飛行機をご利用にならない方も含めて、お客様の声に寄り添いながら「すべてのひとに優しい空」の実現を目指し、どなたでも安心・快適に飛行機をご利用いただけるよう「そらぱす教室」をはじめ、さまざまな「ユニバーサルサービス」に取り組んでいきます。