ドルフィン、感謝のラストフライト。
支えたスタッフの秘めた想い。
【後編】

2020 / 08 / 21

6月14日に25年の役目を終えて引退した、ボーイング737―500型機、通称「スーパードルフィン」。前編では、福岡空港でのラストフライトセレモニーについてお伝えしましたが、後編ではラストフライトの機内の様子や、ドルフィンに貼られた花束のデカールに秘められたストーリーをお届けします。ラストフライトは、空席待ちのお客様が80人近くもいらっしゃる人気ぶり。ここまで愛されるのには、レトロな機体ならではのスタッフのおもてなしも関係していたようです。


機内はドルフィンとの思い出話で賑わう

「CAさん、写真を撮っても良いですか?」搭乗した客室部品質推進課の井口さゆりCAは、ラストフライトの機内で何度もお客様に呼び止められ、記念撮影に応じたそうです。
「ドリンクサービスが全然進まない程でした(笑)。たくさんのお客様が、ドルフィンの思い出話をしてくださったり、メッセージやお写真をいただいたり、ドルフィンとの別れを惜しんでいらっしゃいました」と井口CA。

機内では、ファンの方々が旅の記録を残すログブックも50冊近く手渡されました。いつもはCAがメッセージを直接書いたりするのですが、多くのお客様のリクエストにフライト時間内でお応えできるよう、事前に用意していたメッセージ入りの搭乗証明書をお渡ししました。

お客様からいただいたお手紙や写真

最新鋭の機体にはない魅力づくり

井口CAは多くの人にドルフィンが愛される理由について、こう語ります。
「ドルフィンは、最新の機体と比べ、冷房の利きが悪く、お客様にオリジナルのうちわやおしぼりを配っていた思い出があります。ちょっとレトロな機体ですが、CAとしては、いかにハードの部分をサービスでカバーするかを考え、イルカのイメージに合うような、あたたかいおもてなしを心がけてきました。フォルムのかわいさもありますが、CAのおもてなしもドルフィンが愛される理由……だったらいいな、と思います(笑)」。

ANAウイングス井口CA
機内でお配りしたオリジナルうちわとおしぼり

ドルフィンに花束を。実は、ハプニングから生まれた

機体に貼られた花束のデカールにも、ドラマがありました。
貼り付ける位置は事前に検証を行っていましたが、いざ機体(JA307K)に貼ろうとすると、保安用のマークやドルフィン本体に被ってしまうことが判明し、作業を一度中断。その後、花束の位置を予定していた場所から前方へずらして、翌日貼り直し作業を行いました。結果、ドルフィンがまるで花束を持っているような仕上がりに。これは良い、ということで、残りのJA305K・JA306Kの貼り付け位置も同じレイアウトに修正をすることにしました。新たな道に旅立つドルフィンに、ぴったりのはなむけとなりました。

JA305K
JA306K
JA307K
花束のデカールが貼付された3機。
デザインは社内公募でお客様に感謝の気持ちをお届けするという共通テーマがあります

陽気なイルカ、約46,000時間のフライトを終える

ラストフライト当日、総務部総務課の谷口大さんはこの日、カメラマンとしてファインダー越しにドルフィンを見守っていました。展望デッキには想像以上に多くのお客様が詰めかけていらっしゃるのを目にし、思わず胸が熱くなったそうです。

「プロジェクト開始以来1年以上、ずっとドルフィンと共に走り続けてきたような気がします。もうあの陽気なイルカがお客様を乗せて飛ぶことがないなんて、今も信じられません」と寂しそうに谷口さんは語ります。

ANAウイングス総務課の谷口さん

たくさんの人に愛され、数々の思い出を残したドルフィン。
これからも私たちは、あんしん、あったか、あかるく元気!なフライトをお届けしていきます。