医療現場に安心・安全を届けたい。
医療用ガウン縫製支援に取り組みます。

2020 / 05 / 28

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、医療用ガウンの在庫がひっ迫しています。今後再び感染が拡大すれば、通常の医療にすら影響を与えかねません。そこでANAグループでは、政府からの要請を受け、社員からボランティアを募り、約5万着のガウンの一部縫製や検品作業をお手伝いをすることになりました。人の命を預かり、日々安全・安心を守るために全力を尽くしているANAグループだからこそ、きっとできることがある。担当者たちの熱い思いをお届けします。


「ガウン縫製に協力してもらえないか」。政府からの要請があったのは、コロナ感染者が全国に拡大していた4月上旬のこと。多くの人とのつながりで成り立つエアラインとして、なにか社会に貢献したいと協力することになりました。 しかし、縫製は未経験という社員がほとんど。報道を見た社員からは「今だからこそ、できることをしたい」と前向きな声があがった一方、「ミシンは自信がない」「素人の自分たちに縫えるだろうか」という不安の声もありました。

ANA企画部 村田さん

「ミシンの初心者でも、お手伝いできるような生産工程はないでしょうか」。企画を担当するANA企画部の村田加奈子さんは、縫製を担当する合同会社ヴァレイとの打ち合わせで、そんな率直な思いをぶつけました。すると、ガウン製作には必ずしも専門的な縫製だけでなく、とにかくマンパワーが求められている作業があるとわかったのです。そこで、改めて社員に対し、ANAグループが担うのは検品や出荷、紐を縫うなど簡単な縫製作業であるとした上で、ボランティアを募りました。

「それなら自分も役に立てるかもしれない」と、社員からは募集定員の7倍近い800人以上から応募がありました。職種も、CAや整備、パイロット、本社スタッフ部門勤務など多種多様。社内の反響の大きさに村田さんは「嬉しい驚きでした」とほっと胸をなでおろします。村田さんは言います。

「私たちは常に一つひとつの業務に対して安全への意識を徹底してきました。その意味では、医療用品の製作もベースは同じだと思っています。ANAグループは『社会への責任』や『努力と挑戦』を社員の行動指針に掲げていますが、今こそそんな“ANAグループらしさ”が発揮できるときだと思います」。

5月12日、さっそくボランティアを率いるリーディングスタッフ向けの研修が行われました。

講師はヴァレイ社のスタッフが担当
真剣な眼差しで講師の説明を聞き入ります

ヴァレイ社の谷 英希社長によると、同社がある奈良県では、新型コロナウイルスの感染者は多くないものの、市場に医療用ガウンが出回らず、地域の歯医者や耳鼻科、介護施設などで在庫がひっ迫しているそうです。このままの状況が続けば、いずれは一時閉鎖となり、多くの患者や高齢者が、必要な医療や介護を受けられないという、深刻な事態を招きかねません。

合同会社ヴァレイ 谷社長

谷社長はこう強調します。「ANAには異業種から手を挙げていただいたことで『自分たちにも何か参加できるかもしれない』と手を挙げやすくなる流れをつくっていただいたと思います。医療現場の人たちが『早くガウン作って』と僕たちの存在を思いおこすことが一秒たりともないよう、裏方として迅速に対応したいです」。

研修で業務用ミシンの使い方などを学んだ、リーディングスタッフでD&I推進部の伊藤央さんは「ミシンは何十年も扱ったことがなかったが、丁寧に指導いただいたので何とかできました。こういう形で自分が社会貢献できるのはうれしい」と意気込み十分。

客室センターの寺田路子さんも「2人の子供の子育てでミシン経験があるので生かしたいです。作業は、丁寧な確認作業が必要だと感じました」と気を引き締めていました。

次回(後編)では、ガウン縫製に取り組む現場の、ボランティアスタッフの様子をリポートします!